権限とマネジメント

権限の種類

確か、「組織サバイバルの教科書 韓非子」では、権力の源泉として、以下の権限を挙げていたと思う。

  • 人事権
  • 財務権
  • 情報権
  • 軍事・裁判権
  • 専門性による依存関係

この6つの内、アスペルガーを持つ人が職場でマネジメントをする時に使うと良い権限は、

  • 人事権
  • 専門性による依存関係

の二つだと思う。

人事権とマネジメント

人事権は、法律的な言い方をするなら、「就業規則の懲戒規定に基づく懲戒権」の事。

簡単に言うなら、部下をクビにできる権限の事。

外資系などの場合、直属の上司に人事権が与えられていため、アスペルガーを持つ人は、管理職になったステップでつまづく事は少ないと思う。

人事権とマネジメントについては、別記事「人事制度とアスペルガー」で詳しく解説してある。

専門性による依存関係

専門性による依存関係は、医師や弁護士をイメージすると分かりやすい。

医師や弁護士は、専門性の高さから、クライアントに対して立場が強い。

もっと身近な例で言うと、家庭で料理を作る母親は、家庭の胃袋を握っているため、専門性による依存関係が家族に対してあると言える。

人事権が直属の上司に与えられない職場の場合、アスペルガーを持つ人は、「専門性による依存関係」で部下をコントロールする方法が向くと自分は思う。

専門性による依存関係とは、例えば、

  • 重要な仕事を囲い込み
  • 最新のソフトウェアの使い方を先んじて覚える
  • 独占業務付きの国家資格

などだ。

アスペルガーを持つ人は、繰り返しの特性や興味範囲の限定性、言語性IQの高さなどから、技術者に適性があると言われるため、「専門性による依存関係」を作るのには向いていると思う。

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ASD向けのリーダーシップ理論の解説

PM理論

PM理論では、リーダーの役割は以下の二つとされる。

  • 目標達成
  • 集団維持

PM理論は、目標達成=Performance、集団維持=Maintanance、の二つの頭文字を取って名付けられている。

目標達成を優先すると、集団内の競争が激しくなり、集団内の仲が悪くなる。

集団維持を優先すると、競争が緩くなり、上げられる成果が低くなる。

集団維持と目標達成は、トレードオフなのだ。

外資系や実力主義のベンチャーなど、競争が激しい職場は、目標達成優先型のリーダーシップが必要とされる。

公務員や日本の大企業など、競争が激しくない職場は、集団維持優先型のリーダーシップが必要とされる。

アスペルガーは、人付き合いの苦手から集団維持には向かないが、興味範囲の限定性や常同性から目標達成には向く。

そのため、アスペルガーに向くのは、目標達成優先型のリーダーシップだ。

目標達成優先型のリーダーシップの場合、目標達成のために、集団維持を犠牲にしても良いからだ。

安定した仕事はASDには向かない

ASDを持つ人は、不安が強い特性から、安定した仕事に就きたがる傾向がある。

だが、安定した仕事は集団維持優先型のリーダーシップになるため、あまり向かないと自分は思う。

逆に、ベンチャー企業のような不安定な新興企業は、成果を出さないと会社がつぶれるため、集団維持より目標達成を優先する傾向があり、実力主義になる事が多い。

そのため、ASDは安定した仕事より、不安定な実力主義の仕事の方が向くと自分は思う。

一応、補足で書いておくと、人間の能力は、加齢による衰えと経験による上達が釣り合い、ピークになるのが30歳頃。

そのため、35歳以降の発達障害者は、加齢による衰えで、実力が下がっていくため、実力主義では、発達障害以外の加齢という要素で不利になると自分は思う。

そのため、より正確には、20~35歳のASDは、安定した仕事より、不安定な実力主義の仕事の方が向くと自分は思う。

あと、リーダーシップ理論で役に立ちそうな物には、パスゴール理論やSL理論などがある。

パスゴール理論

リーダーシップの取り方は、以下の二つを示す事だとする考え方。

  • 目標
  • 段取り

SL理論

  1. 教示的リーダーシップ
  2. 説得型リーダーシップ
  3. 参加型リーダーシップ
  4. 委任型リーダーシップ

SL理論は、部下の成熟度によって干渉度を変えると良い、というリーダーシップ理論。

大まかに言うと、未熟な相手には細かく指示を与え、ベテランの相手には大まかな指示を与える、といった考え方だ。

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「発達障害を背景とした毒親予防」のSSTを

毒親と発達障害

精神科医の水島広子医師が書いた「毒親の正体」では、毒親を作る精神医学的事情として、

  1. 発達障害
  2. 不安定な愛着スタイル
  3. うつ病などの臨床的疾患
  4. DVなどの環境問題

の四パターンが挙げられている。

そして、毒親の中で最も数が多いのは、発達障害タイプの人だとも書かれている。

そして、「毒親の正体」には、毒親対策としては、

  • 「心理的支えは期待せず、経済的支えのみ期待する」
  • 「発達障害を持つ親も短時間なら特性を自制できるため、会う時間を短くする」

といったノウハウしか書かれていない。

これらのノウハウはある程度成長し、精神的に自立した10代後半以降の子供にしか実践できない。

幼い子供は、親を心の支えにせざるを得ないし、親と会う時間を短くする事もできない。

つまり、発生後対策だけで予防対策がないのだ。

毒親予防のSST

幼い子供を発達障害を背景とした毒親から守るには、発達障害を持つ親向けの子育てノウハウのSSTが必要だ。

SSTとは「ソーシャルスキルトレーニング」と呼ばれ、授業形式で人付き合いのノウハウを教える治療の事だ。

加えて、定期的に心理士との面接など、継続的支援も必要だと自分は思う。

ちなみに、SSTは、保険適用のため、低所得者層でも受けられるだろう。

また、現在の発達障害を持つ子供達のデータを行政が管理しておき、彼らが成長して大人になり、役所に子供の出生届を提出しに来たら、「毒親予防のSST」の案内を役所で渡す、といったシステムも必要だと自分は思う。

「発達障害を背景とした毒親」の併存疾患

発達障害を背景とした毒親には、

  • 発達障害による適応障害
  • 発達障害を背景とした適応障害で社会的に失敗し、中年の危機
  • パーソナリティ障害
  • カサンドラ症候群

などの疾患が併発している事が多いと思う。

親が、親自身の発達障害で職場で適応障害に陥っているが、終身雇用や年功序列の職場で、職場に通い続けさえすれば解雇されない場合は、親自身の適応障害が表面化しにくいと思う。

そして、そういった「隠れた適応障害」で、毒親になる、といったパターンがあると自分は思う。

また、親自身が、発達障害を背景とした適応障害で社会的に失敗している場合、中年の危機になり、家庭で家族に過剰に威張る事があると思う。

そしてそういった場合は、威張る親に、発達障害の特性で尊敬するそぶりを見せない子供に、中年の危機に陥った親が心理的攻撃をして無理やり尊敬させようとして毒親になる、というパターンもあると思う。

また、発達障害にはパーソナリティ障害が併発しやすい。

自己愛性パーソナリティ障害を併発した尊大型ASDや、反社会性パーソナリティ障害の併発があるタイプのADHDの場合、毒親になりやすいと自分は思う。

あと、妻がカサンドラ症候群を発症するほど、夫のアスペルガーの特性が強い場合、子供に対しては、「毒親」という形で夫のアスペルガーの特性が悪影響を及ぼしている可能性が高い。

また、「毒親の正体」には、毒親を作る精神医学的事情として、

  1. 発達障害
  2. 不安定な愛着スタイル
  3. うつ病などの臨床的疾患
  4. DVなどの環境問題

と書かれている。

カサンドラ症候群は、アスペルガーの夫による無自覚のDVとも言え、カサンドラ症候群の妻も、ストレスで毒親になりえると自分は思う。

そういった併発疾患も、毒親の原因として治療した方が良いと自分は思う。

発達障害のタイプが異なる場合

親の発達障害のタイプと子供の発達障害のタイプが異なると、毒親問題に発展しやすいと思う。

発達障害のタイプが親子で同じであれば子供の特性を親も理解しやすいが、異なると子供の特性を親が理解しにくく、毒親の原因になりえると思う。

例えば、ADHDを持つ人とASDを持つ人が結婚してASDあるいはADHDの子供を設けた場合、片方の親と、子供の発達障害のタイプが異なる事になる。

そして、同じASD同士でも、親子が、ADHDの併発があるタイプとないタイプと下位分類が違う場合、毒親問題に発展しやすいと思う。

ADHD同士でも、親子が、ASDの併発があるタイプとないタイプで下位分類が違う場合も、毒親問題に発展しやすいと思う。

あと、親子共にASDの場合、ASDの拘りの対象が親子で違う場合は、毒親問題に発展しやすいと思う。

家出少女と毒親問題

また、家出少女が売春をする現象があるが、家出の背景には、「発達障害や精神疾患を背景とする毒親」があるのではないだろうか?

もしそうなら、未成年売春などの非行をした児童を補導した場合、虐待がなかったか、アンケートを取り、虐待があった場合、親を精神科に通院させる、といった対処が必要だと自分は思う。

ちなみに、発達障害は遺伝するため、親が「発達障害を背景とした毒親」の場合、家出少女達にも発達障害がある可能性が高い。

そして、ASDを持つ家出少女の場合、コミュニケーションの障害で、曖昧な心理的・経済的虐待被害を上手く説明できないと考えられるため、口頭での質問ではなく、チェックマーク形式のアンケートにした方が良いと自分は思う。

引きこもりの家庭内暴力と毒親問題

また、引きこもりの25%はASD。

出展:「4人に1人以上が発達障害!? 引きこもる大人たちが働けない本当の理由

そして、引きこもりの10%には家庭内暴力が伴う。

出展:「「ひきこもりは非常に犯罪率が低い集団としか言いようがない」精神科医・斎藤環氏が過剰な報道に苦言

「発達障害を背景とした引きこもり」の場合、発達障害は遺伝するため、引きこもりの保護者にも発達障害がある可能性が高い。

そして、引きこもりの保護者が彼ら自身の発達障害によって、「発達障害を背景とした毒親」になっている可能性が高い。

そして、引きこもりの家庭内暴力は、「発達障害を背景とした毒親」が引きこもりの子供に虐待をした結果、引きこもりの子供が「モラルハラスメントの破裂行動」として、家庭内暴力を起こしている、という可能性があると自分は思う。

モラルハラスメントの破裂行動とは、心理的暴力の被害者が我慢しきれずに物理的暴力で反撃してしまう事を指す。

引きこもりに家庭内暴力が伴う場合、親や家族の発達障害を検査し、彼らに「毒親予防のSST」を受けさせた方が良いと思う。

また、検査を勧めた時に、引きこもりの家族が「被害者を責めるのか!?」と怒った場合、「原因と責任は別です」と説得すると良いと自分は思う。

また、ASDを持つ引きこもりはコミュニケーションの障害で、曖昧な心理的・経済的虐待を上手く説明できないと思われるため、口頭ではなく、チェックマーク形式のアンケートで毒親問題がないか、聞いた方が良いと自分は思う。

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試験制度におけるアスペルガーへのバリアフリー

1.アスペルガーには面接試験を選択制に

コミュニケーションの障害を抱えるアスペルガーには、進学時の入試や就職・転職時の採用試験で不利にならないよう、面接試験を選択科目制にする配慮が必要だ

面接試験の代わりにSPIのような適性検査テスト・志望動機をテーマにした小論文で代替、などの選択肢が考えられる。

健常者にとっては、社交的な人は従来通り面接試験を、内気だったり緊張に弱い人は面接以外の試験制度を選べるようになり、選択肢が増えるというメリットになる。

2.発達の偏りを持つ生徒に試験科目の選択制を

発達障害者には、性格的な特性だけではなく、能力の発達の偏りも見られる。

発達の偏りが激しいと「学習障害」という、れっきとした障害にもなる。

そして、「自閉症の才能開発」には『発達の偏りを持つ生徒は、現在の教育システムでは弾かれてしまい、大成できない』、という趣旨の記述がある。

現在の日本の教育制度では、少数の科目で受験できる私立大学が、発達の偏りを持つ生徒を受け入れる役割を果たしている、という可能性が高い。

だが、私立大学は国立大学に比べ、学費が高い。

発達の偏り故に国立大学への進学が制限され、経済的負担が重くなるのは、公平ではないと自分は思う。

加えて、私立大学は国立大学より格下とみなされるため、就職で不利になる傾向がある。

発達の偏り故に国立大学に進学できず、就職で不利になるのは、公平な社会制度ではない。

発達の偏りを持つ生徒には、国立大学の選抜試験で、「特性で苦手な科目を免除する」という配慮が必要だ。

予想される反論としては、「発達の偏りを持つ生徒に、特定科目を免除すると、大学の生徒の質が下がる」という物がある。

その問題は、「免除ではなく選択制」にする事で解決が可能だ。

具体的には、発達の偏りを持つ受験生には、

  • 発達の偏りで苦手な試験科目の代わりに、発達の偏りで得意な分野で代替科目を選択可能に
  • 発達の偏りで苦手な試験科目を免除する代わりに、発達の偏りで得意な科目では大学生レベルの試験を課す

などの対策ができると思われる。

大学生レベルの試験問題を作る事がコストの問題でできないならば、外部の資格試験の上級保持を選抜試験の代わりにすれば良い。

具体的には、英検1級・TOEFL・TOIECの高得点、数学検定1級などだ。

現在の私立大学の受験制度でも、社会科で国立に比べて細かい知識まで問われるという似たようなシステムがある。

だが、暗記科目の社会科よりも、語学や数学の方が習得が難しく、技能としての経済的価値も高い。

「学生の質が下がる」という問題を防ぐには、免除科目への代替科目は社会科などの暗記科目ではなく、語学や数学などの習得が難しい科目のレベルを上げる事で対応した方が良い。

具体的には、

  • 発達の偏りで計算が苦手な生徒には、数学免除の代わりに英検1級の取得を課す
  • 発達の偏りで語学が苦手な生徒には、英語免除の代わりに数検1級の取得を課す

などだ。

英語や数学などの重要科目のより柔軟な選択制は、重要科目のグループの中で行い、その他の重要度が低い教科のより柔軟な選択制は、重要度が低い教科のグループの中で行うと良いと思う。

つまり、国立大学で、試験全体の難易度を変えないよう注意しながら、試験科目の選択の幅を大きくする、という配慮が、発達の偏りや学習障害を持つ生徒へのバリアフリーな対応として必要だと思う。

少なくとも、学習障害を持つ生徒への「受験科目の免除と代替科目の選択」という制度は反対が少ないと思われ、実施しやすいと思う。

なお、発達の偏りを持つ生徒への配慮は、大学受験に限らず、高校受験・中学受験・小学校受験などのステップでも必要だと思われる。

3.感覚過敏を持つ生徒に試験会場での配慮を

感覚過敏とは、視覚・聴覚・触覚などが敏感すぎる事を指す。

聴覚が敏感で雑音が気になってしまい、仕事に集中できない、などの事例がある。

試験会場において、感覚過敏の受験生には特性に応じた配慮が必要だと自分は思う。

例えば、聴覚過敏の生徒には耳栓の使用を許可したり、別室受験を認める、などの配慮だ。

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アスペルガーと1E教育

2Eと1E

総合IQが平均より高く、かつ、発達障害がある人の事は、二重に例外的という意味で「2E」と呼ぶ。

なら、総合IQが平均範囲内でも、発達の偏りで平均より高いIQ群がある人の事は、「1E」と呼ぶと良いと思う。

1Eの人は、準ギフテッドのような存在だとみなせると思う。

1E教育

アスペルガーの場合は、総合IQが平均程度の場合でも、

  • 発達の偏りで言語性IQが高い傾向があり、勉強が得意
  • 社会性の障害やコミュニケーションの障害で、人付き合いが苦手

という特性がある。

そのため、1Eのアスペルガーの生徒の場合は、

  • 習熟度別学習
  • 通信制教育

などの配慮をすると良いと思う。

習熟度別学習は、飛び級の事だ。

通信制学習が良いのは、アスペルガーを持つ生徒は人付き合いの苦手から、集団教育では凄惨ないじめ被害に遭い、二次障害を負う事が多いからだ。

ASDには、「学力試験付き」の通信制を

また、現在の通信制高校、通信制大学は入学時の学力試験がない事が多い。

通信制学校は、不登校児への救済策であり、不登校児には、境界知能の生徒達も含まれるためだろう。

境界知能とは、IQ70~85の人達の事だ。

通信制教育は、

  • 境界知能の生徒向け
  • 1Eの発達障害の生徒向け

の二つに分けて作った方が良いと思う。

つまり、

  • 境界知能の生徒向けには、現在の通信制のままで
  • 1EのASDの生徒向けには、学力試験付きの通信制

といった感じに。

学力試験を実施して、試験結果の上位をランキングにして発表、といった事も、ASD向けの通信制にはつけても良いと思う。

療育の学習コストを削減

「特別支援学級」で育った子の知られざる本音」では、特別支援学級で育った女性が、

「いまは特別支援学級でも普通学級でも、勉強と療育を両方やるってことが、ほぼ不可能ですよね」

https://toyokeizai.net/articles/-/218036?page=4

と述べている。

療育には、様々な種類があるようだが、アスペルガーの場合は、ソーシャルスキルトレーニング(人付き合いを学ぶ事)がメインになると思う。

個人的な意見だが、自分は、ソーシャルスキルトレーニングの学習コストをカットし、勉強に多く時間を割けるようにした方が良いと思う。

苦手な人付き合いは必要最低限だけできるようにし、実生活で人付き合いをなるべく避ける事でそれは実現できると思う。

本田秀夫医師の「自閉症スペクトラム」では、確か、

「ルールを守れば、協調性がなくてもOK」

などの例が挙げられていたと思う。

1Eのアスペルガーの場合、苦手な人付き合いの訓練には時間をかけず、得意な勉強に多くの時間をかけるように支援した方が良いと自分は思う。

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アスペルガーへのいじめの集団構造

いじめの分類

ASDへのいじめは二つのパターンに別れる。

  • 集団いじめ
  • 単独犯によるいじめ

いじめ加害者の動機

そして、いじめ加害者の動機はそれぞれ以下にようになる

  • 集団いじめ:「集団の裏切り者への制裁システムの暴走」
  • 単独犯によるいじめ:「集団いじめの被害者の八つ当たり」

東大卒の脳科学者の中野信子教授は、著書「ヒトはいじめをやめられない」で、

「いじめは、人間の本能に組み込まれた集団の裏切り者への制裁システムの暴走」

であると述べている。

ちなみに、「ヒトはいじめをやめられない」で述べられているいじめは、集団いじめが対象だ。

単独犯いじめについて解説する。

精神科医が書いた「ケーキを切れない非行少年たち」によると、非行少年たちには、軽度の発達障害や知的障害がある事が多く、そのせいで、学校で壮絶ないじめに遭い、その凄まじいストレスを背景として、幼女への猥褻行為などの非行行為に及ぶ事が多いらしい。

そして、自分の経験では、集団いじめの被害者は、幼女への猥褻行為など、明確な違法行為に及ばなくても、単独犯いじめによって、ストレスを発散するタイプも多かった。

また、単独犯いじめの加害者で数が多いのは、集団いじめの被害者の軽度の発達障害者だが、その他のタイプも複数種類いると思う。

自分の知っている、その他のタイプでは、サイコパス(反社会性パーソナリティ障害)も、単独犯いじめの加害者にいると思う。

いじめ被害者の「脆弱性」

まず、前置きとして、いじめの「責任」と「原因」の二つは別だという事を念押ししておく。

いじめ被害者には、原因はあっても責任はない事が多い。

また、「情報処理安全確保支援士」の教本によると、情報セキュリティでは、

  • 「脆弱性」
  • 「脅威」

という概念を使う。

ASDの特性は、いじめに対する「脆弱性」になる事が多いのだ。

ASDがいじめに遭う「脆弱性」は、それぞれ、以下のようになる。

  • 集団いじめ:社会性の障害
  • 単独犯いじめ:コミュニケーションの障害

集団いじめは、ASDの社会性の障害で、多数派の意見に逆らってしまい、その結果、「集団の裏切り者への制裁システム」への暴走が起き、いじめに遭ってしまうのだと思う。

単独犯いじめは、ASDのコミュニケーションの障害につけこまれ、利用されたり、ストレスの捌け口にされたりしてしまうのだと思う。

そして、特性ごとに、強く出やすいタイプがいる

  • 社会性の障害:積極奇異型ASD
  • コミュニケーションの障害:発達の偏りが大きいタイプ、受動型ASD、孤立型ASD

積極奇異型ASDは、併発したADHDの影響で自己主張が孤立型より強めだ。

だが、自己主張する分、社会性の障害が強く出る傾向がある。

孤立型ASDは、ADHDの併発がないASDのみのタイプであり、周囲への興味が薄いのか、自己主張が積極奇異型より弱めだと思う。

そのため、社会性の障害が積極奇異型よりは弱めだと思う。

学校の場合
  1. 定型発達者から、積極奇異型ASDや尊大型ASD、ADHDが、集団いじめを受ける
  2. 集団いじめ被害でストレスを抱えた上記三タイプが、受動型ASD、孤立型ASDに八つ当たりで単独犯いじめ
  3. 単独犯いじめの被害者が家庭で八つ当たり

「スクールカーストの正体」には、スクールカースト下位のグループには、発達障害の特性が見られる生徒が多い、下位グループはいじめを受けがちだと書かれている。

「ヒトはいじめをやめられない」は、前述の通り、いじめは、人間の本能に組み込まれた「集団の裏切り者への制裁システム」の暴走と書かれている。

自分の学校でのいじめ被害などから、こういったパターンがあると分析した。

職場の場合
  1. 実務を担う30代社員から、実務能力が衰えた中高年社員がモラハラを受ける
  2. モラハラでストレスを抱えた中高年社員が、発達障害を持つ20代社員に八つ当たりで「いじり」をしたり、家庭で家族に八つ当たり

職場のパターンの根拠は、以下の二つ。

東大卒の女性ジャーナリストの中野円佳氏の著書「上司のいじりが許せない」では、加齢で実務能力の衰えた中高年社員による、新入社員へのマウンティングとしていじりが行われるとある。

あと、フランスの精神科医マリーフランスイルゴエンヌの著書「モラルハラスメント」には、収入の少ない若年層と加齢で能力の衰えた中高年が、モラルハラスメントの被害に遭いやすい、と記してあったと思う。

精神科デイケアの場合
  1. 発達障害や精神疾患で社会的に失敗した中高年の患者が「中年の危機」を抱える
  2. 「中年の危機」を抱えた中高年患者が、若い発達障害患者にマウンティング
  3. 相談しても、モラルハザードを起こした、やる気のないデイケア職員が隠蔽

精神科デイケアのパターンは、自分の被害体験と、前述の「上司のいじりが許せない」などから、自分で考えたものだ。

その他の場合
  • ADHDが受動型ASDを都合よく利用し、搾取
  • 反社会性パーソナリティ障害(サイコパス)が受動型ASDから搾取
  • 尊大型ASDが受動型ASDを子分のように周りに集め、自分を大きく見せ、尊敬させようとする

ADHDが、おとなしい受動型ASDにつけこみ、理不尽な扱いをしているパターンが多いと思う。

「フレネミー」という言葉があるが、ADHDのASDへの搾取はそれに近いと思う。

サイコパスの場合も、ADHDと同様のパターンが多いと思う。

あと、尊大型ASDには、自己愛性パーソナリティ障害が併発していると見られる。

そして、それには、発達障害による適応障害で社会的に失敗し、プライドを保つために弱い相手に威張らずにいられない、という仕組みがあると思う。

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発達障害の環境調整の研究を

基礎研究タイプが多い研究医

現在、発達障害の研究医の多くは、脳の構造などから発達障害の原因を探る基礎研究タイプが多い。

基礎研究は応用研究の礎になるため、それはそれで重要だ。

だが、多くの発達障害者が必要としているのは、社会生活を送る上での困りごとの解決のためのノウハウの提供、つまり応用研究だ。

発達障害への薬物療法は、ニューロダイバーシティーの観点から、集団の変化への適応力を奪うため、メインの治療法としては好ましくない。

環境調整やSST、発達障害者へのバリアフリーな社会制度の整備・環境調整による共存の方が、メインの治療法としては好ましいだろう。

発達障害者の環境調整の研究に向くのは文系の学者

環境調整やSST、発達障害者へのバリアフリーな社会制度の研究は、理系の医師ではなく、文系の経済学者・法学者・心理学者などの方が向くと自分は思う。

文理融合の学際系学部として、発達障害者に関わる社会制度の研究ができる学部・学科の設立が必要だと自分は思う。

新学部としては難しくても、心理学部や教育学部の学科の一つとしての設立ならば、比較的容易だろう。

筆者は、経済学に拘りを持つタイプのアスペルガーであるため、発達障害の本を読んだ後、発達障害と社会制度の関わりに気づき、その分析をブログ記事にする事ができた。

ただ、ランダム化比較試験などの統計的検証は、大学の研究者でないとできず、個人の独自研究では、政策に活かすほどの信頼性は担保できない。

なるべく早く、大学等の公的研究機関で、発達障害の経済学・法学からの研究が開始された方が良いと自分は思う。

予算とニーズ

予算なら、農学部が時代に合わない規模を維持しているため、農学部を縮小させ、浮いた予算を回す事が可能だろう。

発達障害者は、アスペルガーは100人に一人、ADHDは100人に3~5人、という割合で、日本全体の人口1億2620万人からすると、日本のアスペルガーは126万人、ADHDは378万人~630万人だ。

それだけ多くの人が困っている問題を解決する、というのは社会的意義が大きいため、発達障害の学際系学部の設立は予算が比較的取りやすいのでは?、と自分は思う。

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発達障害の治療を専門資格の独占業務に

医療職の発達障害の知識不足による二次被害

現在の医療・福祉関係者は、従来から知られていた精神疾患や知的障害の知識は豊富だが、新しい分野である発達障害の知識がある人達は少なく、発達障害を持つ患者への二次被害、三次被害が酷い。

しかも、知識不足に無自覚である医療職が多く、それを指摘すると怒り出す事が多かった。

例えば、ある精神科病院で、発達障害の専門病院に転院したいと申し出た時、ドクターショッピングだと逆に責められた事があった。

他には、アスペルガーの拘りによる適応障害になっていた筆者に、精神科医の多くが、説得や心理的暴力でASDの拘りを無理やり変えようとしてきたりもした。

ASDの拘りは脳内ホルモンのオキシトシンの血中濃度の低さが原因で説得や心理的暴力では変えられないのにも関わらず。

筆者は、「医療職の発達障害の知識不足による二次被害」「精神科デイケアのいじめ被害」で一時期、かなり心理的安全を侵されるといった状況に置かれた。

最終的には、自分で発達障害について勉強し、医師や保護者に本を引用して、「ASDの拘りによる適応障害」を説明し、何とか心理的安全を確保する事ができた。

現在は、そういった二次被害のせいで、精神科病院に近づくのが怖くなってしまっている。

発達障害の治療を専門資格の独占業務に

前述したように、発達障害の専門知識がないと、医療職でも虐待が多発するため、発達障害の治療を、専門資格の独占業務とする事が望ましい。  

種類としては、以下の物があると良いと思う。

  • 医師向けの専門医資格
  • 下級医療職向けの専門資格
  • 当事者の家族や職場の上司向けの学習のための簡単な資格

できれば、知識不足の人が発達障害を持つ人に関わる事を完全になくすために、業務独占の国家資格として作った方が良い。

国家資格を作るのがすぐには難しい場合は、ないよりはマシなため、名称独占としての民間資格でも良い。

民間資格なら、社会福祉法人を事務局にして作れる。

資格ビジネスとして見ても、ニーズは高いはずだ。

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・当ブログは、管理人が書籍を中心に得た情報を分析してまとめていますが、あくまで管理人個人の主観による物です。
・治療や就労、及びそれらに付随する一切の事柄の判断は読者の責任でお願いします。
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・上記の事柄をあらかじめ承知しておいてもらえるようお願いします。

ASDへのSSTは動画授業形式に

SSTとは?

SSTとは、ソーシャルスキルトレーニングの略。

集団授業形式で人付き合いのノウハウを学ぶ治療だ。

患者同士で、習った知識を使って、役割を決めて会話をしてみたり、などもする。

精神科病院のデイケアというリハビリ施設で実施される。

SSTは動画授業形式に

アスペルガーは社会性の障害があるため、集団授業形式のSSTでは、いじめリスクやその他のトラブルのリスクがあり、向かないと自分は思う。

そのため、社会性の障害があるアスペルガーには、集団授業の形式ではなく、動画授業形式で、在宅で視れるようにする事が必要だと自分は思う。

あと、SSTは動画授業にして、Youtube等に無料でアップした方が、政策の費用対効果として見た場合、効率が高くなるだろう、と自分は思う。

引きこもりの1/4は、アスペルガーのため、彼らも自宅で視れる。

予想される反論と答え

予想される反論としては、「実際に病院でのSSTを受けて回復したアスペルガーの人達がいる」だろう。

確かに回復した人もいるだろうが、SSTの継続率が高いのは、軽度の発達障害者であり、重度の発達障害者は脱落率が高いだろう、と自分は思う。

あと、アスペルガーは、社会性の障害から、集団に合わせるのが得意ではなく、マイペースで学ぶ方が向いているだろう。

あと、病院の人達は、集団授業形式のSSTに拘る事が予想されるが、それは、精神科病院の職員の雇用を生む、という経済的な理由があると自分は思う。

動画授業形式だと、必要な雇用の数が、集団授業形式の時に比べ、かなり少なくなってしまうから。

だが、患者から見れば、在宅で視れる動画授業形式の方が、通院の負担も少なく、おそらく治療費も安くなる。

「参加した患者同士で、会話の練習をする、といった事は、動画授業ではできない」という反論も予想されるが、人口知能を使ったチャットボットを使えば、解決可能だろう。

あと、「患者をいじめから守って安全にリハビリできるようにするために、精神科デイケア職員がいるのだ」という反論も予想される。

だが、精神科病院は、デイケアには、精神保健福祉士を法定最低人数しか配置せず、残りの職員には、心理学の知識に乏しい看護師・作業療法士を配置する事が多い。

心理学の知識不足や、知識不足から来ているのか、モラルハザードも酷く、精神科デイケア職員はいじめを見てみぬフリをしたり、被害者が相談しても、いじめを隠蔽したりして、実際には上手く機能していない。

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アスペルガーにデイケアは向かない

社会性の障害があるアスペルガーは、集団療法ではいじめ被害リスクが高いため、デイケアには向かないと自分は思う。

デイケアとは?

デイケアとは、精神科の集団療法の事。

回復期の精神科の患者が、デイケア職員の同席の下、患者同士でグループになって、レクリエーションをしたりして過ごしている。

レクリエーションとは、例えば、ビーズを型にはめてアイロンで固めてコースターを作ったり、ビデオに合わせて体操をしたり、単におしゃべりをしたり、といった事だ。

通常の精神科デイケアは統合失調症などから回復した患者、高齢の患者が多い。

発達障害専門デイケアの場合、20代の発達障害者が多い。

筆者は、通常の精神科デイケアと発達障害専門デイケアの両方に行った事がある。

ASDはデイケアでは人付き合いを学べない

「デイケアで人付き合いを経験して学びなさい」という医師は多い

だが、ASDの場合は時系列の把握が苦手で、因果関係の把握も苦手なため、経験から人付き合いを学ぶ事は難しい。

ASDの場合は、経験よりも本やソーシャルスキルトレーニング(授業形式で人付き合いノウハウを学ぶ治療)などから、明文化された情報から学ぶ方が良いと自分は思う。

そして、詳しくは別記事で書く予定だが、ソーシャルスキルトレーニングも、集団授業形式ではなく、在宅から見れる動画授業形式にした方が良いと思う。

集団療法といじめ被害リスク

社会性の障害があるアスペルガーは精神科デイケアでもいじめられるリスクが高いため、いじめ後遺症が更に加わり、却って二次障害が悪化する可能性が高い。

医療関係者は、「患者をいじめから守って安全にリハビリできるようにするために、精神科デイケア職員がいるのだ」と言うかもしれない。

だが、それは以下の理由から上手く機能していない。

  • 精神科デイケア職員には、精神保健福祉士を法定最低人数しか配置せず、残りの職員には、心理学の知識に乏しい看護師・作業療法士を配置する病院が多い
  • 知識不足の影響か、デイケア職員のモラルハザードが酷く、いじめ隠蔽が多い事

ASDが精神科デイケアに通って協調性が身に付いたように見えても、それは、いじめ被害で依存性パーソナリティ障害や学習性無力感になり、表面上おとなしくなった事で、社会性の障害が目立たなくなった、というのが実態だと自分は思う。

実際、筆者は通常の精神科デイケアと発達障害専門デイケアの二つに通った事があるが、両方でいじめ被害に遭い、非常に強い苦痛を味あわされた。

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