発達障害と毒親

発達障害と毒親

精神科医の水島広子医師は、著書「毒親の正体」で、「毒親」を作る精神医学的事情は以下の4つのパターンがあると指摘している。

  1. 発達障害タイプ(自閉的スペクトラム障害=ASDと注意欠如・多動性障害=ADHD)
  2. 不安定な愛着スタイル(不安型と回避型)
  3. うつ病などの臨床的疾患(トラウマ関連障害、アルコール依存症)
  4. DVなどの環境問題(深刻な嫁姑問題、育児に対する心の準備不足)

発達障害は遺伝するため、子供に発達障害がある場合、親にも発達障害がある可能性が高い。

発達障害を持つ子供の親は、「発達障害を背景とした毒親」である可能性が高い。

また、発達障害を持つ人には、コミュニケーションが苦手で「供述弱者」と呼ばれるタイプがいる。

「発達障害を背景とした毒親」から虐待を受ける、「発達障害を持つ子供」は、供述弱者で、上手く被害を訴えられない傾向があると思う。

また、風邪を引いても鼻水は出るし、インフルエンザでも鼻水は出る。

毒親には、精神疾患以外にも、「血のつながらない親子」といった別のパターンもあると思われる。

「発達障害を背景とした毒親」の分類

発達障害者の分類に以下のような分け方がある。

  • 発達障害だけで困るタイプ
  • 二次障害で困るタイプ
  • 発達障害があっても困らないタイプ

「発達障害を背景とした毒親」も同じ傾向があり、以下のように分類される。

  • 発達障害だけで毒親になるタイプ
  • 二次障害で虐待するタイプ
  • 発達障害があっても虐待しないタイプ

二次障害で虐待するタイプには、以下のタイプがある

  • 親本人が現在進行形の迫害体験を受けていて、家庭で八つ当たりをしているタイプ
  • パーソナリティ障害で、虐待をするタイプ
  • 発達障害故に、社会的に失敗してしまい、中年の危機に陥っているタイプ

また、他のタイプとして、以下のようなタイプもある。

  • カサンドラ症候群を背景とした毒親
  • 引きこもりの子供と毒親

発達障害だけで毒親になる場合

アスペルガーの親が起こす虐待パターン

  • 趣味の押し付け
  • 進路の押し付け

「趣味の押し付け」は、アスペルガーの親が、子供と仲良くしようと、自分の趣味を子供にやらせてみるが、子供が興味を持たないと、アスペルガーを持つ親が理不尽に怒るというパターン。

「進路の押し付け」は、アスペルガーの親が、興味範囲の限定性で過剰に、子供の進路に干渉してしまうタイプ。

ADHDを持つ親の場合、多動衝動性から思った事をそのまま言ってしまい、暴言が多いように見受けられる。

中年の危機と毒親

アスペルガーを持つ子供や若者は、中高年の人達に激しく嫌われる傾向がある。

それは、中年の危機とアスペルガーの社会性の障害の相性が悪いからである。

簡単に言うと、「コンプレックスが強い人ほど生意気な人を嫌う」という事。

そして、それは、親子関係でも同じ。

親が社会的に失敗していて、中年の危機に陥っている場合、社会性の障害があるアスペルガーの子供を激しく嫌う傾向がある。

アスペルガーを持つ親でも同様の傾向がある。

カサンドラ症候群と毒親

アスペルガーを持つ夫の妻は、カサンドラ症候群になりやすい事が知られている。

そして、カサンドラ症候群を持つ妻は、子供に対しては、精神的に不安定な事から、過干渉に走り、子供にとって過干渉な毒親になっている事が多い。

また、カサンドラの妻本人に、ADHDや境界性パーソナリティ障害が併発している事もある。

「カサンドラ症候群を背景とした毒親」の対策は、母親がアスペルガーの夫と別居する「発達障害別居」をする事である。

カサンドラ症候群は、アスペルガーの夫が原因なのだから、別居して環境調整するのが根本的治療。

精神科は、カサンドラ症候群の女性には、愚痴を聞いてガス抜きする対症療法しかできないのだ。

引きこもりと毒親

山梨県立精神保健福祉センターの近藤直司氏の調査によると、ひきこもりの95%には精神疾患がある。

  • 発達障害:27%
  • 不安障害:22%
  • パーソナリティー障害:18%
  • 気分障害:14%
  • 精神病勢障害:8%
  • 適応障害:6%
  • その他:5%

出典:ダイアモンドオンライン「引きこもりは本当に“怠け者”!? 95%が精神障害を持つ現実と偏見の間

徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部の境泉洋准教授の調査では、

「引きこもり男性の26%は、発達障害の可能性が高い」

と言う結果が出ている。

出展:ダイアモンドオンライン「4人に1人以上が発達障害!? 引きこもる大人たちが働けない本当の理由

二つの研究を総合すると、引きこもりの25%が発達障害があるのだ。

そして、発達障害は遺伝するため、引きこもりの子供に発達障害がある場合、親にも発達障害がある可能性が高い。

そのため、「発達障害を背景とした引きこもり」の場合、その両親が「発達障害を背景とした毒親」である可能性がある。

「引きこもりと毒親」の問題の最大の特徴は、引きこもりが精神科医や保健所に、虐待被害を訴えても、「怠け者の引きこもりが、親に我儘を言っている」と思われ、信じてもらえない事である。

また、「発達障害を背景とした引きこもり」の中には、いじめ被害で社会不安障害が併発しているタイプがある。

社会不安障害は面接恐怖がある場合、就労への恐怖が強くて、家出して毒親と絶縁する事ができないケースがあり、追い詰められやすい。

精神科医に、診断をもらい、生活保護を受ける、などの逃げ道が考えれらるが、「発達障害を背景とした毒親」がまだ、新しい概念で広まっていないため、審査に通るのが難しいと思われる。

医療職の毒親との交渉方法

親が、普通にまともに働いている立場の場合、医療職の側は、相手が怒って、通院をやめさせてしまう事を恐れて、虐待を指摘しづらいと思う。

その場合、以下のような言い方をすると良いと思う。

「私の立場では、親御さんが、本当に虐待をされているかは分かりません。

 ですが、お子さんが、虐待をされたと訴えてくるという事は、何かしら、元になるような事はあったのだと思います。

 その「元になるような事」を具体的に解決していきましょう」