発達障害と行動経済学

ニューロダイバーシティ

発達障害には、「ニューロダイバーシティー」という説がある。

発達障害を、「疾患としての障害」ではなく、「生物としての人類の変異の一つ」「人類の生息環境に対する適応」の一つのあり方とする考え方の事だ。

参考記事:「自閉症者が人類社会に「不可欠」である理由 〜実は障害ではない!

発達障害は、他の遺伝的障害が1~2万人に一人なのに比べて、アスペルガーは100人に一人、ADHDは100人に3~5人であり、発症率が大きい。

その原因は、発達障害に「存在意義」があったからだ、とニューロダイバーシティーでは考える。

そして、ここからは個人的な分析だが、「ニューロダイバーシティ」は、「行動経済学」からも証明できると自分は思う。

行動経済学の概説

「ランダムウォーク&行動ファイナンス理論の全て」田淵直也(一橋大経済卒の金融アナリスト)という本では、

  • 効率市場仮説
  • 市場の歪み

が解説されている。

効率市場仮説とは?

効率市場仮説とは、「チャンスがあっても、多くの人が殺到するため、チャンスはすぐになくなってしまう」という考え方。

「安売りセールに殺到する主婦達」をイメージすると分かりやすいと思う。

効率市場仮説は基本的には正しいが、実際の経済は人間が動かす物なので、例外ができる。

そういった例外は、「市場の歪み」と呼ばれる。

「市場の歪み」は、一般的には「チャンス」と呼ばれている。

成功している起業家や投資家は、そういった「市場の歪み」を利用して、大きな利益を出していると思われる。

市場の歪み

「ランダムウォーク&行動ファイナンス理論の全て」では、市場の歪みは、以下の三つがあると解説されている。

  • 先行者利益
  • リスクプレミアム
  • アービトラージ

ここからは個人的な考えだが、

  • 先行者利益はADHDと関係が
  • リスクプレミアムはASDと関係が

あるのだと思う

アービトラージは、発達障害とは特に関係がないため、この記事では割愛する。

あと、「ランダムウォーク&行動ファイナンス理論の全て」には載っていないが、「ルールハック」という市場の歪みもあり、それはサイコパスと関連している。

以降で、それらの市場の歪みと、発達障害との関連について解説していく。

先行者利益とADHD

先行者利益とは、一番最初に参入した人が、市場の最大シェアを取れるという傾向の事。

定型発達者(健常者)は見慣れぬ新しい物には、まず警戒心を抱き、中々近づかない。

だが、ADHDは多動性衝動性から新しい物にもすぐに手を出せる。

そのため、ADHDは先行者利益の獲得に適性があると自分は思う。

実業家の堀江貴文氏は、ADHDを「多動力」と表現した事がある。

そして、彼は、自身にADHDがある可能性が高いと公言している。

おそらく、彼は、実業家としての経験から、ADHDが先行者利益の獲得に向く事を薄々分かっており、それでADHDを「多動力」と呼んだのだと思う。

実際、彼は、ネット黎明期、仮想通貨、ロケット事業など、新しい分野に手を出し続けている。

彼の成功の秘訣は、新しい分野で先行者利益を得てきた事だと自分は思う。

自分は、ADHDが先行者利益の獲得に適性がある現象の事を堀江氏の呼び方を使って、「多動力」と名付けたいと思う。

また、ADHD以外にも、ASDにADHDを併発した積極奇異型アスペルガーも、先行者利益の獲得に適性があると自分は思う。

また、ADHDの併発がないアスペルガー孤立型の場合でも、ASDの技術者としての適性から、新技術を生み出したりした場合は、先行者利益を得られる事もあると思う。

リスクプレミアムとASD

リスクプレミアムとは、「訳アリ品の中に掘出し物がある」という傾向の事だ。

人間の集団は、物事への評価が、両極端になる傾向がある。

定型発達者(健常者)は脳内ホルモンのオキシトシンの量が多く、「協調性」がある。

そのため、多くの人が個人の意見を貫く事より、周囲の意見に合わせる事を優先する。

だから、バブルやブームといった現象が起きるのだと自分は思う。

そして、バブルやブームは、対象を「過剰評価」した状態。

逆に、バブル崩壊後などは、対象が本来の価値に比べて、定型発達者の協調性によって、集団全体から「過小評価」された状態になる。

そして、定型発達者は、社会全体から「過小評価」されている物には、同調圧力で手を出しにくい。

だが、アスペルガーは脳内ホルモンのオキシトシンの量が少なく、社会性の障害がある。

アスペルガーは社会性の障害から、同調圧力に逆らえるため、「過小評価」された物にも手を出せる。

そして、「過小評価」された物と本来の価値の間のギャップで利益を得る事ができる。

それゆえ、アスペルガーはリスクプレミアムの獲得に適性があるのだと自分は思う。

これはADHDの先行者利益と比べると少々分かりにくいため、後で別の記事で、テクノロジーバブルと絡めて説明する。

自分は、アスペルガーがリスクプレミアムの獲得に適性がある現象を「独立力」と名付けている。

そして、ADHDの多動力とアスペルガーの独立力を合わせて、発達障害者が市場の歪みに適性がある傾向の事を「多動力独立力仮説」と名付けたい。

まとめると、発達障害者は性格的な特性から、リスクへの感覚が定型発達者と異なり、定型発達者が手を出せないチャンスに手を出せるのだ。

ルールハック

また、学問的な本には載っていないが、「ルールハック」も市場の歪みの一種だ。

「ユダヤの商法」には、「法律の隙間にはキャッシュが詰まっている」と書いてある。

ルールの隙間を使うと、大きな利益を得る事ができるのだ。

例えば、某巨大匿名掲示板の創設者は、億単位の損害賠償請求を法律の隙間を用いて支払わずに踏み倒している。

「サイコパス」中野信子著には、「ルールハック」という概念が紹介されている。

ルールハックには、サイコパスを持つ人達が向く。

サイコパスは、ADHDの併発率が高いため、この記事で取り上げた。

また、自己愛性パーソナリティ障害を併発していると思われるASD尊大型もルールハックに適性があるようだ。

また、ルールハックというと、悪事だと思われがちだが、善用する事もできる。

イノベーションには、

  • テクノロジーイノベーション
  • プロセスイノベーション

の二種類がある。

新技術が出てきた時、既得権益者による規制で、中々新技術の導入が進まない事がある。

規制を取り払うには、真正面から規制を変更しようとすると多大な政治的コストがかかる。

そういった場合に、「ルールハック」を用いて、法律の隙間を縫う形で新技術の導入を行う事がある。

そういった社会面の改革は「プロセスイノベーション」と呼べる。

サイコパスは、ルールハックによってプロセスイノベーションを起こして社会的成功を掴む事もあるのだと自分は思う。

例えば、Amazonがヨーロッパのある地方に進出しようとした時、地元の小売業者らの妨害に遭った事があった。

その時Amazonは、法律違反をして支払う事になる罰金より、法律違反をしてその地域に進出する利益の方が大きいと踏んで、確信犯的にその地域に進出した。

その地域の小売業者らは損害を被ったかもしれないが、その地域全体から見れば、ネット通販というテクノロジーイノベーションが成功し、集団の利益になっている。

ちなみに、これは、プロセスイノベーションの良い例として取り上げただけであり、Amazonにサイコパスがいるという指摘ではない。

また、ルールハックは善用する事も可能だが、現実には悪用される事の方が多い事も指摘しておく。

まとめ

発達障害者は、経済活動において、定型発達者に足りない部分を補う存在なのだ。

「多動力独立力仮説」は、様々な形で応用が可能だが、長くなるため、書くとしたら、別の記事でまとめる事にする。

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