「発達障害を背景とした毒親予防」のSSTを

毒親と発達障害

精神科医の水島広子医師が書いた「毒親の正体」では、毒親を作る精神医学的事情として、

  1. 発達障害
  2. 不安定な愛着スタイル
  3. うつ病などの臨床的疾患
  4. DVなどの環境問題

の四パターンが挙げられている。

そして、毒親の中で最も数が多いのは、発達障害タイプの人だとも書かれている。

そして、「毒親の正体」には、毒親対策としては、

  • 「心理的支えは期待せず、経済的支えのみ期待する」
  • 「発達障害を持つ親も短時間なら特性を自制できるため、会う時間を短くする」

といったノウハウしか書かれていない。

これらのノウハウはある程度成長し、精神的に自立した10代後半以降の子供にしか実践できない。

幼い子供は、親を心の支えにせざるを得ないし、親と会う時間を短くする事もできない。

つまり、発生後対策だけで予防対策がないのだ。

毒親予防のSST

幼い子供を発達障害を背景とした毒親から守るには、発達障害を持つ親向けの子育てノウハウのSSTが必要だ。

SSTとは「ソーシャルスキルトレーニング」と呼ばれ、授業形式で人付き合いのノウハウを教える治療の事だ。

加えて、定期的に心理士との面接など、継続的支援も必要だと自分は思う。

ちなみに、SSTは、保険適用のため、低所得者層でも受けられるだろう。

また、現在の発達障害を持つ子供達のデータを行政が管理しておき、彼らが成長して大人になり、役所に子供の出生届を提出しに来たら、「毒親予防のSST」の案内を役所で渡す、といったシステムも必要だと自分は思う。

「発達障害を背景とした毒親」の併存疾患

発達障害を背景とした毒親には、

  • 発達障害による適応障害
  • 発達障害を背景とした適応障害で社会的に失敗し、中年の危機
  • パーソナリティ障害
  • カサンドラ症候群

などの疾患が併発している事が多いと思う。

親が、親自身の発達障害で職場で適応障害に陥っているが、終身雇用や年功序列の職場で、職場に通い続けさえすれば解雇されない場合は、親自身の適応障害が表面化しにくいと思う。

そして、そういった「隠れた適応障害」で、毒親になる、といったパターンがあると自分は思う。

また、親自身が、発達障害を背景とした適応障害で社会的に失敗している場合、中年の危機になり、家庭で家族に過剰に威張る事があると思う。

そしてそういった場合は、威張る親に、発達障害の特性で尊敬するそぶりを見せない子供に、中年の危機に陥った親が心理的攻撃をして無理やり尊敬させようとして毒親になる、というパターンもあると思う。

また、発達障害にはパーソナリティ障害が併発しやすい。

自己愛性パーソナリティ障害を併発した尊大型ASDや、反社会性パーソナリティ障害の併発があるタイプのADHDの場合、毒親になりやすいと自分は思う。

あと、妻がカサンドラ症候群を発症するほど、夫のアスペルガーの特性が強い場合、子供に対しては、「毒親」という形で夫のアスペルガーの特性が悪影響を及ぼしている可能性が高い。

また、「毒親の正体」には、毒親を作る精神医学的事情として、

  1. 発達障害
  2. 不安定な愛着スタイル
  3. うつ病などの臨床的疾患
  4. DVなどの環境問題

と書かれている。

カサンドラ症候群は、アスペルガーの夫による無自覚のDVとも言え、カサンドラ症候群の妻も、ストレスで毒親になりえると自分は思う。

そういった併発疾患も、毒親の原因として治療した方が良いと自分は思う。

発達障害のタイプが異なる場合

親の発達障害のタイプと子供の発達障害のタイプが異なると、毒親問題に発展しやすいと思う。

発達障害のタイプが親子で同じであれば子供の特性を親も理解しやすいが、異なると子供の特性を親が理解しにくく、毒親の原因になりえると思う。

例えば、ADHDを持つ人とASDを持つ人が結婚してASDあるいはADHDの子供を設けた場合、片方の親と、子供の発達障害のタイプが異なる事になる。

そして、同じASD同士でも、親子が、ADHDの併発があるタイプとないタイプと下位分類が違う場合、毒親問題に発展しやすいと思う。

ADHD同士でも、親子が、ASDの併発があるタイプとないタイプで下位分類が違う場合も、毒親問題に発展しやすいと思う。

あと、親子共にASDの場合、ASDの拘りの対象が親子で違う場合は、毒親問題に発展しやすいと思う。

家出少女と毒親問題

また、家出少女が売春をする現象があるが、家出の背景には、「発達障害や精神疾患を背景とする毒親」があるのではないだろうか?

もしそうなら、未成年売春などの非行をした児童を補導した場合、虐待がなかったか、アンケートを取り、虐待があった場合、親を精神科に通院させる、といった対処が必要だと自分は思う。

ちなみに、発達障害は遺伝するため、親が「発達障害を背景とした毒親」の場合、家出少女達にも発達障害がある可能性が高い。

そして、ASDを持つ家出少女の場合、コミュニケーションの障害で、曖昧な心理的・経済的虐待被害を上手く説明できないと考えられるため、口頭での質問ではなく、チェックマーク形式のアンケートにした方が良いと自分は思う。

引きこもりの家庭内暴力と毒親問題

また、引きこもりの25%はASD。

出展:「4人に1人以上が発達障害!? 引きこもる大人たちが働けない本当の理由

そして、引きこもりの10%には家庭内暴力が伴う。

出展:「「ひきこもりは非常に犯罪率が低い集団としか言いようがない」精神科医・斎藤環氏が過剰な報道に苦言

「発達障害を背景とした引きこもり」の場合、発達障害は遺伝するため、引きこもりの保護者にも発達障害がある可能性が高い。

そして、引きこもりの保護者が彼ら自身の発達障害によって、「発達障害を背景とした毒親」になっている可能性が高い。

そして、引きこもりの家庭内暴力は、「発達障害を背景とした毒親」が引きこもりの子供に虐待をした結果、引きこもりの子供が「モラルハラスメントの破裂行動」として、家庭内暴力を起こしている、という可能性があると自分は思う。

モラルハラスメントの破裂行動とは、心理的暴力の被害者が我慢しきれずに物理的暴力で反撃してしまう事を指す。

引きこもりに家庭内暴力が伴う場合、親や家族の発達障害を検査し、彼らに「毒親予防のSST」を受けさせた方が良いと思う。

また、検査を勧めた時に、引きこもりの家族が「被害者を責めるのか!?」と怒った場合、「原因と責任は別です」と説得すると良いと自分は思う。

また、ASDを持つ引きこもりはコミュニケーションの障害で、曖昧な心理的・経済的虐待を上手く説明できないと思われるため、口頭ではなく、チェックマーク形式のアンケートで毒親問題がないか、聞いた方が良いと自分は思う。

免責条項
・当ブログは、管理人が書籍を中心に得た情報を分析してまとめていますが、あくまで管理人個人の主観による物です。
・治療や就労、及びそれらに付随する一切の事柄の判断は読者の責任でお願いします。
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試験制度におけるアスペルガーへのバリアフリー

1.アスペルガーには面接試験を選択制に

コミュニケーションの障害を抱えるアスペルガーには、進学時の入試や就職・転職時の採用試験で不利にならないよう、面接試験を選択科目制にする配慮が必要だ

面接試験の代わりにSPIのような適性検査テスト・志望動機をテーマにした小論文で代替、などの選択肢が考えられる。

健常者にとっては、社交的な人は従来通り面接試験を、内気だったり緊張に弱い人は面接以外の試験制度を選べるようになり、選択肢が増えるというメリットになる。

2.発達の偏りを持つ生徒に試験科目の選択制を

発達障害者には、性格的な特性だけではなく、能力の発達の偏りも見られる。

発達の偏りが激しいと「学習障害」という、れっきとした障害にもなる。

そして、「自閉症の才能開発」には『発達の偏りを持つ生徒は、現在の教育システムでは弾かれてしまい、大成できない』、という趣旨の記述がある。

現在の日本の教育制度では、少数の科目で受験できる私立大学が、発達の偏りを持つ生徒を受け入れる役割を果たしている、という可能性が高い。

だが、私立大学は国立大学に比べ、学費が高い。

発達の偏り故に国立大学への進学が制限され、経済的負担が重くなるのは、公平ではないと自分は思う。

加えて、私立大学は国立大学より格下とみなされるため、就職で不利になる傾向がある。

発達の偏り故に国立大学に進学できず、就職で不利になるのは、公平な社会制度ではない。

発達の偏りを持つ生徒には、国立大学の選抜試験で、「特性で苦手な科目を免除する」という配慮が必要だ。

予想される反論としては、「発達の偏りを持つ生徒に、特定科目を免除すると、大学の生徒の質が下がる」という物がある。

その問題は、「免除ではなく選択制」にする事で解決が可能だ。

具体的には、発達の偏りを持つ受験生には、

  • 発達の偏りで苦手な試験科目の代わりに、発達の偏りで得意な分野で代替科目を選択可能に
  • 発達の偏りで苦手な試験科目を免除する代わりに、発達の偏りで得意な科目では大学生レベルの試験を課す

などの対策ができると思われる。

大学生レベルの試験問題を作る事がコストの問題でできないならば、外部の資格試験の上級保持を選抜試験の代わりにすれば良い。

具体的には、英検1級・TOEFL・TOIECの高得点、数学検定1級などだ。

現在の私立大学の受験制度でも、社会科で国立に比べて細かい知識まで問われるという似たようなシステムがある。

だが、暗記科目の社会科よりも、語学や数学の方が習得が難しく、技能としての経済的価値も高い。

「学生の質が下がる」という問題を防ぐには、免除科目への代替科目は社会科などの暗記科目ではなく、語学や数学などの習得が難しい科目のレベルを上げる事で対応した方が良い。

具体的には、

  • 発達の偏りで計算が苦手な生徒には、数学免除の代わりに英検1級の取得を課す
  • 発達の偏りで語学が苦手な生徒には、英語免除の代わりに数検1級の取得を課す

などだ。

英語や数学などの重要科目のより柔軟な選択制は、重要科目のグループの中で行い、その他の重要度が低い教科のより柔軟な選択制は、重要度が低い教科のグループの中で行うと良いと思う。

つまり、国立大学で、試験全体の難易度を変えないよう注意しながら、試験科目の選択の幅を大きくする、という配慮が、発達の偏りや学習障害を持つ生徒へのバリアフリーな対応として必要だと思う。

少なくとも、学習障害を持つ生徒への「受験科目の免除と代替科目の選択」という制度は反対が少ないと思われ、実施しやすいと思う。

なお、発達の偏りを持つ生徒への配慮は、大学受験に限らず、高校受験・中学受験・小学校受験などのステップでも必要だと思われる。

3.感覚過敏を持つ生徒に試験会場での配慮を

感覚過敏とは、視覚・聴覚・触覚などが敏感すぎる事を指す。

聴覚が敏感で雑音が気になってしまい、仕事に集中できない、などの事例がある。

試験会場において、感覚過敏の受験生には特性に応じた配慮が必要だと自分は思う。

例えば、聴覚過敏の生徒には耳栓の使用を許可したり、別室受験を認める、などの配慮だ。

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アスペルガーにはホームスクールを

インクルーシブ教育vsホームスクール

インクルーシブ教育とは、障害を持つ生徒が、健常者の生徒と共に、集団授業を受けるのが良いという考え方。

ホームスクールとは、学校へ通学せずに自宅で学習する教育制度の事。

インクルーシブ教育とホームスクールは真逆の考え方だ。

そして、自分は、アスペルガーを持つ生徒には、インクルーシブ教育よりも、ホームスクールの方が向くと思う。

身体障害者の場合は、インクルーシブ教育が可能かもしれないが、発達障害者の場合には向かないと自分は思う。

東大卒の脳科学者である中野信子教授の著書「ヒトはいじめをやめられない」によると、いじめは、人間の本能に組み込まれた 「集団の裏切り者への制裁システムの暴走」。

ここからは自分の意見だが、アスペルガーを持つ人は社会性の障害で、そのシステムの暴走の対象になりやすいと思う。

また、岩波明教授の著書「発達障害」の電子書籍版の16%位置には、

『社会性に障害を持つASDの患者では、標準以上の知的能力を持っていたとしても、対人関係が苦手で、学校や職場などの集団生活において様々な問題を生じさせる。

教室では、興味のない授業にはまったく参加しなかったりする。

集団から孤立しやすく、学校ではいじめの標的になることが多い』

との記述がある。

また、同著には、図1-3として、ASD患者302例への生活状況のアンケートのグラフが載っており、それによると、ASDを持つ人は健常者の約2倍、いじめ被害がある。

「スクールカーストの正体」にも、「スクールカーストで下のグループには発達障害を持つ生徒が多く、そのグループはいじめ被害リスクが高い」との趣旨の記述がある。

また、慶応義塾大法学部政治学科卒の藤原さとさんの書いた記事「アメリカのホームスクーリング事情から考える学校の存在意義について」には、

個人主義の国であるアメリカでは合理的に考える傾向があり、クラスでいじめられており、学校側も十分に対応しないのに学校に行き続けるという判断そのものがアメリカでは「crazy」となります。

https://kotaenonai.org/blog/satolog/1171/

との記述がある。

アスペルガーを持つ生徒には、インクルーシブ教育よりも、ホームスクールの方が向くはずだ

そして、ASD向けのホームスクールを作るなら、以下の点を工夫すると良いと思う。

  • 授業でのスクーリングは一切なし
  • 試験時のみスクーリング
  • 不登校になった後に通わせるのではなく、最初から通信制へ
  • 学力試験を実施

スクーリングとは、通信制教育でも時々登校して授業や面接を受ける事。

ASDの場合は、そういったスクーリングは、試験時を除いて、一切なしにした方が良いと思う。

また、現在の日本には、高校と大学に通信制学校があり、小学校と中学校にはあまり知られていないが、不登校児への救済策としての通信制はあるようだ。

だが、自分は、いじめを受け、二次被害が増え、不登校になった後に通信制にするのではなく、最初からいじめ被害を避けるために通信制にした方が良いと思う。

保育園や幼稚園のステップでも、発達障害の専門資格を持つ保育士や幼稚園教諭を、ASDを持つ家庭へベビーシッターとして派遣するなどして、集団保育は避けた方が良いと自分は思う。

あと、現在の通信制には入学試験がなく、進級基準も緩い事が多いように見受けられる。

詳しくは別の記事で解説する予定だが、アスペルガーを持つ生徒を対象にしたホームスクールは、入学時や進級時、卒業時に健常者と同レベル以上の学力試験をつけた方が良いと自分は思う。

あと、エジソンは、発達障害を持つ有名人として例に挙げられる事が多い。

そのエジソンも、母親が自宅で勉強を教えるホームスクールで勉強をしていたようだ。

あと、ホームスクールが向くのは、「知的障害を伴わない発達障害者」だと自分は思う。

「知的障害を伴う発達障害者」は、医療知識を持たない一般人の保護者では、ホームスクールは難しい可能性が高い、と自分は思う。

インクルーシブ教育の理想と現実

インクルーシブ教育の理想自体は素晴らしくても、現在の教育機関の人材の平均レベルではインクルーシブ教育の理想は実現できていない、と自分は思う。

「スクールカーストの正体」には、

「教師のリーダーシップ能力が高ければ学級のいじめ問題は少なくなり、逆にリーダーシップ能力が低いといじめ問題は多くなる」

という趣旨の記述がある

「現代の教師職はエリート職ではないため、高いリーダーシップ能力を持つような優秀な人材は集まりにくい」

との趣旨の記述もある。

自閉症スペクトラムの女性の自伝「Cocora 自閉症を生きた少女」の小学校編には、

『一年生の時、「鈴本」という教師が担任になった時、教師である鈴本にも同級生にも激しい虐待・いじめを受けた。

だが、「堀田先生・桜田先生」という教師が担任の時は、いじめられる事もなく、穏やかな学校生活を過ごす事ができた』

との趣旨の記述がある。

発達障害を持つ児童が健常者の児童と共に学ぶ「インクルーシブ教育」は、教師の質が高い事が前提だと、自分は思う。

現在の教師の質はバラつきが大きすぎ、一部の教師しか、「インクルーシブ教育」の理想を実現する事はできないと自分は思う。

インクルーシブ教育の実現には、教師の質の向上が必要だが、現在は予算の制限で教師の質を上げる事はできないだろう、と自分は思う。

つまり、インクルーシブ教育の理想を実現するには、教師の質が高い事が必要だが、現実には、教師の質にばらつきがあるため実現できない、のだと自分は思う。

そのため、ASDの生徒には、通信制教育でいじめを避けながら教育を受ける機会を提供する事が必要だと思う。

ホームスクールと家庭の経済力

高校生以上になれば、カリキュラムと教材を与えれば、独学できる生徒が多いだろう。

だが、小中学生までの段階では、集団授業ではないホームスクールのため、大人が横に座って勉強する時間を守らせる事が必要だと思う。

アメリカのホームスクールの統計では、両親がいて片方が働いている、というタイプの家庭にホームスクールが最も多い傾向がある。

参考記事:「Number and percentage of homeschooled students ages 5 through 17 with a grade equivalent of kindergarten through 12th grade, by selected child, parent, and household characteristics: 2003, 2007, and 2012

ホームスクールで子供に勉強を教える時間を確保のために、片方の親が一定期間、「専業主婦」又は「専業主夫」になる必要がある、あるいは元々そうだったから時間を確保しやすかった、という事情があるのだろう。

そして、低所得家庭では、発達障害児がいても、共働きをせざるを得ず、ホームスクールは現実的にできないかもしれないと思う。

そこは仕方ないため、補助金を出すか、低所得家庭でのホームスクールを諦めるかのどちらかになる。

あと、現在の日本は子育てのために退職した後、再就職する事が難しい。

中所得以上の家庭でのホームスクールの実現には、休職した保護者が子供の成長後に仕事に復帰できるようにするための労働制度の変更も必要だろう。

ホームスクールと「発達障害を背景とした毒親」

発達障害は遺伝の傾向があるため、発達障害の子供の親にも発達障害がある可能性は高い。

精神科医の水島広子医師の著書「毒親の正体」によると、「毒親の多くには精神疾患があり、最も多いのは発達障害」、だそうだ。

ホームスクールで家庭で勉強を教える場合、閉鎖的な環境になってしまい、毒親・虐待の問題が多発する可能性がある。

対策として、

  • 定期的に心理士が親子と面接
  • ホームスクールの子供を集めて生活状況を聞くアンケートを実施し、その中に虐待をチェックする質問を設けておく

といったやり方が考えられるだろう。

保護者の側のストレスを溜めないために、「子供が幼い間は、子育ての休みを取れるよう、時々、発達障害の専門資格を持つベビーシッター・家庭教師を利用する事」などの対策が必要だと思う。

加えて、発達障害を持つ人は社会的技能が低いため、発達障害を持つ親は教える事が下手という傾向が予想される。

発達障害を持つ親に「教え方」を教える事がまず必要だろう。

インクルーシブ教育を好む保護者

ASDの生徒の保護者は、ホームスクールとは真逆のインクルーシブ教育を支持する事が多い。

だが、前述した理由から、アスペルガーを持つ生徒には集団授業は向かないと自分は思う。

ASDの生徒の保護者がインクルーシブ教育を強く支持する場合、

  • 単純に現実を知らない
  • 発達障害は遺伝するため、保護者にも軽度のASDがあり、インクルーシブ教育にASDの拘りで拘ってしまい、都合の悪い情報が耳に入っていない

という二つの可能性があると思う。

ホームスクールの財政面へのメリット

アスペルガーは100人に一人、ADHDは100人に3~5人いる。

2018年時点で、14歳以下の子供の人口推計は、1553万人。

出典:産経新聞「子供人口過去最低を更新 37年連続減の1553万人 少子化に歯止めかからず

14歳以下だけでも、アスペルガーを持つ児童は約15万人、ADHDを持つ児童は45万~75万人と推計できる。

アスペルガーを持つ人の半分はADHDの特性を併せ持つため、アスペルガーとADHDの児童数の合計からASDの半数に当たる7万人を引いて計算しても、計52万人~82万人になる。

財政問題を抱える日本政府にとって、これだけの児童を受け入れる特別支援学校の増設は大きな負担になる。

ホームスクールは、家庭が教育のコストの大部分を負担し、行政はそのサポートをする形になるため、社会保障費の増加を抑制できる。

ただし、コストカットを主な目的とした手抜きの「ホームスクール」が実施されないよう、行政をNPO等が監視する事が必要だろう。

ホームスクールと社会的コスト

ホームスクールは、子供一人に親一人が教師としてつくため、集団授業に比べて社会的コストが大きいと思われる。

だが、日本のASDの22%が引きこもりとなっている。

詳しくは、別記事「日本のASDの22%が引きこもりに追い込まれている」で解説している。

引きこもりの社会的コストと比べれば、ホームスクールの社会的コストはまだ安い方だと自分は思う。

更に、「発達障害と少年犯罪」という本では、「発達障害と犯罪には直接的因果関係はないが、迫害体験を第三因子とした間接的な相関関係はある」という趣旨の事が述べられているようだ。

「ケーキを分けられない非行少年たち」という本でも、「軽度の知的障害や発達障害を持つ少年が学校でいじめ被害を受け、そのストレスを背景として幼女への猥褻行為に及ぶなどの非行行為に走っている」と書かれている。

そういった犯罪者になられた場合の社会的コストに比べると、ホームスクールの社会的コストはまだ安い方だと自分は思う。

ASD向け教育制度の統計的検証を

中室牧子准教授の著書「学力の経済学」では、

「教育政策にランダム化比較試験などの統計的検証を加えて効果の有無を確かめるべき」

との意見が繰り返し強調されている。

自分もその意見に賛成だ。

ただ、現在の教育経済学は健常者の児童を対象にした研究と思われ、発達障害児の教育政策には、また別に統計を用いた科学的研究が必要だ。

まずは、ASDを持つ生徒を対象に、ランダム比較化試験などで、ホームスクールとインクルーシブ教育両方をした場合の、学力やフラッシュバック被害への因果関係を調べると良いと思う。

統計的調査で、ASDを持つ生徒にはホームスクールの方が良い、と示されれば、アスペルガーを持つ生徒の親を納得させて、ASDを持つ生徒へのホームスクーリングを実施する事がしやすくなるだろう、と自分は思う。

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発達障害者へのバリアフリー

自分がこのブログを始めた理由は、発達障碍者にとってのバリアフリーな社会制度を作る方が効率的な治療になる、という自分の考えを社会に伝えたかったからだ。

1.現在の治療の問題点

現在のアスペルガーへの治療は「アスペルガーを普通の人達に近づける」事を目的にしている。

確かに、表面上だけでも普通の人達と同じ振る舞いをできれば、ASDへのいじめや虐待を避けて二次障害を防ぐ事ができる可能性が高いだろう。

だが、「普通」に見えるアスペルガーは、「普通」に見えるようにかなりの努力をしており、アスペルガー症候群の当事者への負担が大きい。

加えて、発達障碍者を「普通の人達」に近づける治療は、社会の多様性を失わせ、一つの原因で集団があっさり全滅するリスクを高めてしまう側面を持つ。

例えば、品種改良したた生産性が高い作物を大規模栽培する農場は、収穫量は増加するが、一つの病気だけで作物が全滅するリスクが高い。

画一化による生産性の向上は、ほどほどならメリットの方が大きいが、やりすぎるとリスクの方が大きくなるのだ。

発達障害の遺伝子が、現在まで絶滅せずに人類の遺伝子の中に残ってきたのは、人類という「種」にとって、発達障害が有益だったという可能性が高いと自分は思う。

2.バリアフリーな社会制度

上記の二つの理由から、発達障碍者にとって暮らしやすい「バリアフリー」な社会制度を整備して、発達障害の「生きづらさ」を柔らげる治療方針の方がメリットが大きいと自分は思う。

ちなみに、現在も病院などで行われている「環境調整」は、個人レベルの環境を変更する事であり、自分の主張する「バリアフリー」は社会全体のレベルで環境を変える事、という違いがある。

発達障碍者を「普通の人達」に近づける治療は、社会全体の環境を変えた後も深刻な生きづらさを抱える場合、に限定した方が良いと自分は思う。

3.トレードオフ

予想される反論には、「発達障碍者が暮らしやすい社会を作ろうとしたら、『普通の人達』の暮らしやすさが犠牲になるのでは?」という意見があるだろう。

確かにそういったトレードオフの部分もあるだろう。

だが、全ての状況でトレードオフになる訳ではない。

発達障碍者が暮らしやすい社会が、「普通の人達」にとっても暮らしやすい社会になる、という状況も多数あると自分は思う。

例えばアスペルガーには、進学時の入試や就職・転職時の採用試験で、コミュニケーションの障害によって、不利にならないよう面接試験を選択科目制にする配慮が考えられる。

面接試験の代わりにSPIのような適性検査テスト・志望動機をテーマにした小論文で代替、などの選択肢が考えられる。

「普通の人達」にとっては、社交的な人は従来通り面接試験を、内気だったり緊張に弱い人は面接以外の試験制度を選べるようになり、選択肢が増えるというメリットになると自分は思う。

4.両立できない場合

問題は、障害者と「普通の人達」の利害が両立できない場合。

アスペルガー症候群の方が立場が強い場合、例えばアスペルガー尊大型(自己主張が強いタイプのアスペルガー)の夫を持つ専業主婦の妻は、カサンドラ症候群と呼ばれる「うつ病」に近い状態になる割合が高い。

そして、アスペルガー症候群の方が立場が弱い場合、例えばアスペルガー受動型(おとなしいタイプのアスペルガー)は、いじめられて適応障害になってしまう割合が高いと自分は思う。

周囲の人のストレスと当事者のストレスはトレードオフの側面があり、現在の医療は、そういった犠牲の押し付け合いを解決できていない。

だが、そういった場合でも、工夫を凝らす事で「発達障碍者の暮らしやすさ」と「普通の人達の暮らしやすさ」をある程度までは、両立する事も可能だと自分は思っている。

5.まとめ

自分は、発達障害者にとってのバリアフリーな社会制度のアイディアや、実現するための工夫を、このブログで伝えていきたいと考えている。

免責条項
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