権限とマネジメント

権限の種類

確か、「組織サバイバルの教科書 韓非子」では、権力の源泉として、以下の権限を挙げていたと思う。

  • 人事権
  • 財務権
  • 情報権
  • 軍事・裁判権
  • 専門性による依存関係

この6つの内、アスペルガーを持つ人が職場でマネジメントをする時に使うと良い権限は、

  • 人事権
  • 専門性による依存関係

の二つだと思う。

人事権とマネジメント

人事権は、法律的な言い方をするなら、「就業規則の懲戒規定に基づく懲戒権」の事。

簡単に言うなら、部下をクビにできる権限の事。

外資系などの場合、直属の上司に人事権が与えられていため、アスペルガーを持つ人は、管理職になったステップでつまづく事は少ないと思う。

人事権とマネジメントについては、別記事「人事制度とアスペルガー」で詳しく解説してある。

専門性による依存関係

専門性による依存関係は、医師や弁護士をイメージすると分かりやすい。

医師や弁護士は、専門性の高さから、クライアントに対して立場が強い。

もっと身近な例で言うと、家庭で料理を作る母親は、家庭の胃袋を握っているため、専門性による依存関係が家族に対してあると言える。

人事権が直属の上司に与えられない職場の場合、アスペルガーを持つ人は、「専門性による依存関係」で部下をコントロールする方法が向くと自分は思う。

専門性による依存関係とは、例えば、

  • 重要な仕事を囲い込み
  • 最新のソフトウェアの使い方を先んじて覚える
  • 独占業務付きの国家資格

などだ。

アスペルガーを持つ人は、繰り返しの特性や興味範囲の限定性、言語性IQの高さなどから、技術者に適性があると言われるため、「専門性による依存関係」を作るのには向いていると思う。

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人事制度とアスペルガー

人事制度の分類

人事制度は、以下のように、人事権の所在によって、大きく二つに分けられる。

  • 人事部に人事権が集中
  • 直属の上司に人事権

人事部に人事権が集中

人事部に人事権が集中している場合、直属の上司には人事権が与えられない。

人事権とは、法律的な言い方をすると、「就業規則の中の懲戒規定による懲戒権」となる。

分かりやすく言うなら、部下を解雇できる権限の事。

あと、「雇用契約に基づく労務指揮権」は、継続的に雇われる場合は強制力が生じにくいため、ここでは人事権とは扱わない。

直属の上司に人事権がない場合、直属の上司には、「おだてて動かす」というマネジメント手法が必要になる事が多い。

そして、アスペルガーを持つ人は、社会性の障害で嘘が言えなかったり、コミュニケーションの障害で他人の感情が分からないため、「おだてて動かす」マネジメントは苦手だ。

そして、日本の中規模以上の会社では、人事部に人事権が集中しているタイプの企業が多い様子だ。

そのため、管理職になった段階で挫折するアスペルガーの人がいるのだと思う。

直属の上司に人事権

直属の上司に人事権が与えられている場合、直属の上司の一存で部下を解雇する事ができる。

そのため、直属の上司に人事権がある場合、直属の上司は「怖い態度と強権行使」でリーダーシップを取る傾向がある。

外資系企業などがそれに当たる。

ちなみに、アメリカの場合、訴訟大国でもあるため、上司は訴訟を恐れて言葉を選び、部下は解雇を恐れて命令に従う、といったバランスが取れた職場になっている様子だ。

また、外資系企業では、中間管理職に人事権を与えるため、濫用しないよう、就業規則ハンドブックでルールが明文化され、かつ職務記述書で仕事の範囲が明確に定められる、などの対策が取られているようだ。

そのようにルールが明文化されている事も、外資系企業などの人事権が直属の上司に与えられる職場でアスペルガーを持つ人が適応しやすい理由の一つだと自分は思う。

そして、アスペルガーを持つ人は、こういった直属の上司に人事権がある職場でのマネジメントなら、向くと思う。

部下を動かすには強権行使すれば良いため、部下をおだてて動かす必要がないからだ。

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