「発達障害を背景とした毒親予防」のSSTを

毒親と発達障害

精神科医の水島広子医師が書いた「毒親の正体」では、毒親を作る精神医学的事情として、

  1. 発達障害
  2. 不安定な愛着スタイル
  3. うつ病などの臨床的疾患
  4. DVなどの環境問題

の四パターンが挙げられている。

そして、毒親の中で最も数が多いのは、発達障害タイプの人だとも書かれている。

そして、「毒親の正体」には、毒親対策としては、

  • 「心理的支えは期待せず、経済的支えのみ期待する」
  • 「発達障害を持つ親も短時間なら特性を自制できるため、会う時間を短くする」

といったノウハウしか書かれていない。

これらのノウハウはある程度成長し、精神的に自立した10代後半以降の子供にしか実践できない。

幼い子供は、親を心の支えにせざるを得ないし、親と会う時間を短くする事もできない。

つまり、発生後対策だけで予防対策がないのだ。

毒親予防のSST

幼い子供を発達障害を背景とした毒親から守るには、発達障害を持つ親向けの子育てノウハウのSSTが必要だ。

SSTとは「ソーシャルスキルトレーニング」と呼ばれ、授業形式で人付き合いのノウハウを教える治療の事だ。

加えて、定期的に心理士との面接など、継続的支援も必要だと自分は思う。

ちなみに、SSTは、保険適用のため、低所得者層でも受けられるだろう。

また、現在の発達障害を持つ子供達のデータを行政が管理しておき、彼らが成長して大人になり、役所に子供の出生届を提出しに来たら、「毒親予防のSST」の案内を役所で渡す、といったシステムも必要だと自分は思う。

「発達障害を背景とした毒親」の併存疾患

発達障害を背景とした毒親には、

  • 発達障害による適応障害
  • 発達障害を背景とした適応障害で社会的に失敗し、中年の危機
  • パーソナリティ障害
  • カサンドラ症候群

などの疾患が併発している事が多いと思う。

親が、親自身の発達障害で職場で適応障害に陥っているが、終身雇用や年功序列の職場で、職場に通い続けさえすれば解雇されない場合は、親自身の適応障害が表面化しにくいと思う。

そして、そういった「隠れた適応障害」で、毒親になる、といったパターンがあると自分は思う。

また、親自身が、発達障害を背景とした適応障害で社会的に失敗している場合、中年の危機になり、家庭で家族に過剰に威張る事があると思う。

そしてそういった場合は、威張る親に、発達障害の特性で尊敬するそぶりを見せない子供に、中年の危機に陥った親が心理的攻撃をして無理やり尊敬させようとして毒親になる、というパターンもあると思う。

また、発達障害にはパーソナリティ障害が併発しやすい。

自己愛性パーソナリティ障害を併発した尊大型ASDや、反社会性パーソナリティ障害の併発があるタイプのADHDの場合、毒親になりやすいと自分は思う。

あと、妻がカサンドラ症候群を発症するほど、夫のアスペルガーの特性が強い場合、子供に対しては、「毒親」という形で夫のアスペルガーの特性が悪影響を及ぼしている可能性が高い。

また、「毒親の正体」には、毒親を作る精神医学的事情として、

  1. 発達障害
  2. 不安定な愛着スタイル
  3. うつ病などの臨床的疾患
  4. DVなどの環境問題

と書かれている。

カサンドラ症候群は、アスペルガーの夫による無自覚のDVとも言え、カサンドラ症候群の妻も、ストレスで毒親になりえると自分は思う。

そういった併発疾患も、毒親の原因として治療した方が良いと自分は思う。

発達障害のタイプが異なる場合

親の発達障害のタイプと子供の発達障害のタイプが異なると、毒親問題に発展しやすいと思う。

発達障害のタイプが親子で同じであれば子供の特性を親も理解しやすいが、異なると子供の特性を親が理解しにくく、毒親の原因になりえると思う。

例えば、ADHDを持つ人とASDを持つ人が結婚してASDあるいはADHDの子供を設けた場合、片方の親と、子供の発達障害のタイプが異なる事になる。

そして、同じASD同士でも、親子が、ADHDの併発があるタイプとないタイプと下位分類が違う場合、毒親問題に発展しやすいと思う。

ADHD同士でも、親子が、ASDの併発があるタイプとないタイプで下位分類が違う場合も、毒親問題に発展しやすいと思う。

あと、親子共にASDの場合、ASDの拘りの対象が親子で違う場合は、毒親問題に発展しやすいと思う。

家出少女と毒親問題

また、家出少女が売春をする現象があるが、家出の背景には、「発達障害や精神疾患を背景とする毒親」があるのではないだろうか?

もしそうなら、未成年売春などの非行をした児童を補導した場合、虐待がなかったか、アンケートを取り、虐待があった場合、親を精神科に通院させる、といった対処が必要だと自分は思う。

ちなみに、発達障害は遺伝するため、親が「発達障害を背景とした毒親」の場合、家出少女達にも発達障害がある可能性が高い。

そして、ASDを持つ家出少女の場合、コミュニケーションの障害で、曖昧な心理的・経済的虐待被害を上手く説明できないと考えられるため、口頭での質問ではなく、チェックマーク形式のアンケートにした方が良いと自分は思う。

引きこもりの家庭内暴力と毒親問題

また、引きこもりの25%はASD。

出展:「4人に1人以上が発達障害!? 引きこもる大人たちが働けない本当の理由

そして、引きこもりの10%には家庭内暴力が伴う。

出展:「「ひきこもりは非常に犯罪率が低い集団としか言いようがない」精神科医・斎藤環氏が過剰な報道に苦言

「発達障害を背景とした引きこもり」の場合、発達障害は遺伝するため、引きこもりの保護者にも発達障害がある可能性が高い。

そして、引きこもりの保護者が彼ら自身の発達障害によって、「発達障害を背景とした毒親」になっている可能性が高い。

そして、引きこもりの家庭内暴力は、「発達障害を背景とした毒親」が引きこもりの子供に虐待をした結果、引きこもりの子供が「モラルハラスメントの破裂行動」として、家庭内暴力を起こしている、という可能性があると自分は思う。

モラルハラスメントの破裂行動とは、心理的暴力の被害者が我慢しきれずに物理的暴力で反撃してしまう事を指す。

引きこもりに家庭内暴力が伴う場合、親や家族の発達障害を検査し、彼らに「毒親予防のSST」を受けさせた方が良いと思う。

また、検査を勧めた時に、引きこもりの家族が「被害者を責めるのか!?」と怒った場合、「原因と責任は別です」と説得すると良いと自分は思う。

また、ASDを持つ引きこもりはコミュニケーションの障害で、曖昧な心理的・経済的虐待を上手く説明できないと思われるため、口頭ではなく、チェックマーク形式のアンケートで毒親問題がないか、聞いた方が良いと自分は思う。

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カサンドラ症候群の傾向と対策

カサンドラ症候群とは、アスペルガーの夫と感情的交流が持てず、妻がうつ病に似た症状を呈する事。

妻に限らず、アスペルガー男性の職場の仲間なども含める場合もあるようだが、この記事では夫婦のカサンドラ症候群に限定して取り上げていく。

カサンドラ症候群の分類

  • 愛着回避的なアスペルガーの夫に孤独を感じる愛着不安の強い妻
  • 尊大型のアスペルガーの夫からの、理不尽な扱いに苦しめられる妻

愛着回避的なアスペルガーの夫には、孤立型のアスペルガーが多いだろう、と自分は思う。

愛着回避的なアスペルガーの夫の場合、悪意はないだろうと自分は思う。

尊大型のアスペルガーの夫の場合、理不尽だと自覚しながら理不尽な扱いをする、確信犯的な部分があるだろう、と自分は思う。

予防対策

  • 見合い結婚
  • 同好の士

見合い結婚の場合、夫がアスペルガーを持っていても妻はカサンドラ症候群にはなりにくい傾向がある

見合い結婚は経済的釣り合いなどを重視する傾向があるため、最初から精神的交流をあまり期待していないためだ。

そして、学者同士の結婚など、同じ興味がある物を共有できる「同好の士」といったタイプの組合せも、カサンドラ症候群にはなりにくいようだ。

アスペルガーの夫の拘りの対象に、妻も興味を持っていれば、共通の話題となり、夫婦間の交流を維持しやすいのだろう

根本的解決策は「離婚」

カサンドラ症候群の根本的な解決策は、離婚。

だが、日本の労働制度では、結婚や出産で退職した女性の再就職が難しい

離婚した女性は経済的に困窮する傾向があり、現実的には難しい

カサンドラ症候群の解決には、アスペルガーを批判するよりも、労働制度の改革の方が良いと自分は思う

ただし、一つ注意点がある。

将来、労働政策が変われば、これから先、カサンドラ症候群になった女性達は、救われるかもしれない。

だが、現時点のカサンドラ症候群の女性の中には、キャリアのブランクが既に長くなってしまい、再就職できなくなっている人もいるだろう。

その場合、現時点で持っているカードを組み合わせて、生き延びていくしかないだろう。

ちなみに、離婚以外には、夫の単身赴任などでの別居も離婚と同じ効果があるだろうと自分は思う。

あと、アスペルガーのパートナーと結婚前である女性の場合、妊娠・出産後に備えて再就職しやすい資格を取得しておく、という対策も可能だろう。

現在は対症療法しかできない

現在のカサンドラ症候群への治療は、精神科医やカウンセラーが、カサンドラの女性達のアスペルガーの夫への愚痴を聞いてあげ、ガス抜きをし、必要なら投薬もする、という対症療法だ。

経済的自立の手伝いは、医師の領分を超えるため、抜本的な対策ができないのだ。

ソーシャルスキルトレーニング

カサンドラ女性の夫のアスペルガー男性は、結婚するまでのステップでは、恋愛ノウハウ本などで独学し、マニュアル通りに振る舞えるため、魅力的に見える傾向があるそうだ。

ただ、恋愛ノウハウ本は、結婚した後のノウハウのジャンルではほとんどないため、アスペルガー男性は妻をカサンドラにしてしまうような振る舞いをしてしまうとか。

発達障害の治療には、ソーシャルスキルトレーニング(SST)という授業形式で人付き合いを学ぶプログラムがある。

現在のSSTは、職場での人付き合いをテーマにしたものや、青年期の発達障害者を対象にしたものであり、結婚生活をテーマにしたものは、自分の知る限りないようだ。

結婚後の振る舞い方をテーマにしたSSTのプログラムを発達障害の専門病院が開発すれば、カサンドラ症候群をある程度改善できるかもしれない。

現時点で結婚生活での振る舞い方をアスペルガー男性が学べそうな教材は、自分の知る限り、以下の二つの物がある。

マンガで分かる心療内科「モテるマンガ」シリーズ

「倦怠期を防ぐ方法」

・年の話題は否定するかスルーする

・美醜について悪く言わない

・他の異性を褒めない

・半年に一度は旅行に行く

秋葉原心療内科/モテるマンガ第4回「女は何歳まで女?~倦怠期を防ぐ方法」 by ゆうメンタルクリニック

精神科医のゆうきゆう先生原作のマンガで分かる心療内科「モテるマンガ」シリーズ。

若年男性向けの、下ネタを交えたギャグ漫画であるため、そういった類が苦手な女性は読むのは避けた方が良いと自分は思う。

美人の正体」越智圭太

・カップルは、容姿に劣る方が容姿で勝る方に尽くす行動をする傾向がある

・容姿に差があっても、同居を始めると離婚率は容姿に差がないグループと変わらなくなる

「美人の正体」越智圭太

法政大学文学部心理学科教授の著作。

統計に基づいた恋愛心理学の本。

地域にもよるが、図書館にもあると思う。

夫への「オキシトシン」の処方

現在、アスペルガー症候群の治療薬として、「オキシトシン」という脳内ホルモンが研究されている。

治験結果を見て、自分は以下のように分析した。

脳内ホルモンであるオキシトシンは、アスペルガーの性格的な特性は解決できるが、能力の発達の偏りまでは解決できない様子だ。

参考「世界初 自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの治療効果を検証しました

カサンドラ症候群は、夫に気持ちが通じない事でうつ病に似た症状を呈するという仕組み。

そのため、オキシトシン実用化後、オキシトシンの服用で夫の性格的な特性が変わるだけでも、カサンドラ女性の症状はある程度軽減するだろうと自分は思う。

オキシトシンの副作用

オキシトシンは、医学的な副作用は少ないようだが、職業適性の点での副作用が出る可能性が高い、と自分は思う。

長所と短所は表裏一体であり、オキシトシンでアスペルガーの特性が弱まると、社会的に成功しているアスペルガーの場合は、職業能力が低下する可能性があると自分は思う。

例えば、社会的に成功しているアスペルガー尊大型には、経営者も多いようだ。

アスペルガーの「他人の気持ちが分からない」という特性は、リストラなど非情な決断が必要な経営者としての適性に繋がっていると思われる。

オキシトシンによって、「他人の気持ちに興味を持てる」ようになると、経営者としての能力が低下する可能性がある。

他には、アスペルガーは研究者やプログラマーに向く傾向があるが、それは興味範囲の限定性や繰り返しの特性などの特性も影響していると思われる。

オキシトシンでそれらの特性が目立たなくなると、研究者やプログラマーとしての適性が落ちる可能性が高い。

もしも、上記の理由でアスペルガーの夫がオキシトシン服用を拒否した場合、カサンドラ女性がどれだけ怒っても、法律的には強制する事ができない。

カサンドラの妻は、アスペルガーの夫に経済的に依存している事が多いと思われるため、服用を強制する事は経済的な力関係の点でも難しいだろう。

特に、尊大型の夫の場合は、とても口が達者な傾向にあるため、説得は難しいだろう。

あと、アスペルガーを持つ夫が社会的に適応できている場合、

「自分が困っていないのに薬を飲まされるのは嫌だ」

という理由でオキシトシンの服用を拒否するケースも多く出るだろうと自分は思う。

その他の対策

個人的意見だが、ペットの飼育も一種のアニマルセラピーとして多少の効果はあるかもしれないと自分は思う。

夫に感情的交流が期待できないため、ペットに心の癒しを求める、という意味合いで。

ただし、アスペルガーの夫に感覚過敏があり、動物の匂いや鳴き声が苦手な場合、トラブルの火種になりかねないため、飼育は辞めておいた方が良いと自分は思う。

カサンドラ症候群の二次被害

カサンドラ症候群の女性達は、手強いアスペルガー尊大型の夫ではなく、周囲にいる弱いアスペルガー受動型に八つ当たりしていると自分は思う。

カサンドラを診る精神科医には、手強い尊大型の代わりに、弱い受動型を批判して、人気取りをしているタイプがいると自分は思う。

その場合、八つ当たりされたアスペルガー受動型が二次障害として精神疾患になるリスクが高く、カサンドラ症候群の二次被害になる。

対策として、アスペルガー受動型をスケープゴートにして人気取りをする精神科医は、厳しく規制・処罰した方が良いと自分は思う。

カサンドラ女性によるアスペルガー受動型への八つ当たりも、医療職や周囲の家族が止めた方が良いと自分は思う。

カサンドラ女性とADHD

アスペルガー症候群の男性は、曖昧な言い方が分からないという特性から、はっきりと物を言うADHDの女性と結婚しやすい傾向がある。

そのため、カサンドラ女性にはADHDを持つ人が多いと自分は思う。

アスペルガー受動型は、周囲のADHDやアスペルガー尊大型に都合良く利用される傾向がある。

ADHDやアスペルガー尊大型は自己主張が激しく、ASD受動型はおとなしいため、見て見ぬフリをされる傾向もある。

障害者間のいじめは、健常者からのより激しくなる傾向もある。

カサンドラ女性によるアスペルガー受動型への八つ当たりは、上記のような背景がある事を踏まえて、カサンドラ女性の言い分を鵜呑みにせずに、しっかりと止める事が必要だろう。

併発する毒親問題

精神科医が 書いた「毒親の正体」によると、毒親に一番多いには、アスペルガー症候群やADHDなどの発達障害を持つ親だそうだ。

妻がカサンドラ症候群を発症するほど、夫のアスペルガーの特性が強い場合、子供に対しては、「毒親」という形で夫のアスペルガーの特性が悪影響を及ぼしている可能性が高い。

あと、発達障害は遺伝するため、親子共に発達障害を持っているケースも多い。

子供も発達障害を持っている場合、前述の「カサンドラ女性によるアスペルガー受動型への八つ当たり」は、カサンドラの母からアスペルガー受動型の子供へ行われている事もある。

他には、カサンドラ症候群の母とアスペルガー尊大型の父が、子供の前で怒鳴り合いの激しい喧嘩をしているなどのパターンもあると思う。

子供の前で親が夫婦喧嘩をする事は、「マルトリートメント」と呼ばれる心理的虐待であり、子供の脳の発達に悪影響を及ぼす。

夫婦喧嘩は子供がいない場所でした方が良いだろう。

カサンドラ女性はADHDを持つ場合が多いため、ADHDの多動性衝動性から、思った事をすぐに言ってしまい、暴言で子供を傷つけている場合もある。

精神科医やカウンセラーは、カサンドラ症候群の診察時、毒親問題も併発していないか、併せて確かめる事が必要だと自分は思う。

カサンドラ症候群と離婚事由

現在はカサンドラ症候群を直接、離婚事由とするのは難しいようだ。

「法律で認められている5つの離婚事由」

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 強度の精神病
  • 婚姻を継続しがたい重大な理由

参考記事:「裁判で離婚するときに必要な「法定離婚事由」…どんな場合に認められる?

この内、当てはまりそうなのは、「強度の精神病」だが、統合失調症など本当に重度の場合に限られる。

統合失調症は、幻覚や幻聴が見え、神がかり状態にもなったりするレベルの精神疾患だ。

カサンドラ症候群の妻の、夫自身は健康な状態が大半だと思われるため、当てはまらないだろう。

離婚するとしても、多くの場合、モラルハラスメントなどを「婚姻を継続しがたい重大な理由」として訴えていく事になるだろう。

ただし、夫が、妻のカサンドラ症候群改善のための協力を拒んだ場合、前提条件によるが「悪意の遺棄」として離婚事由として認められる可能性がある。

例えば、カサンドラ改善のための配偶者向けSSTの実用化後には、それへの参加拒否などは、「悪意の遺棄」として認められる可能性が高い。

認められない場合としては、オキシトシン実用化後のオキシトシン服用の拒否は、薬剤の服用を強制できないという理由から「悪意の遺棄」にはなりにくいだろう。

「発達障害者への差別」と言われないための工夫

なお、裁判では、

  • 離婚の「原因」は「発達障害を背景としたモラハラ」
  • モラハラは、アスペルガー症候群以外でも起き得るが、今回のケースはアスペルガー症候群が「背景」にあった
  • 夫のアスペルガーを背景としたモラハラでうつ病に似た状態になった「現象全体」をカサンドラ症候群と呼んでいる

という論理を使った方が良いと思う。

カサンドラ症候群を理由に夫を批判する事は、アスペルガー症候群への「差別」と捉えられる側面もあるからだ。

裁判官も、発達障害者への差別と捉えられるような判決は出しにくいはずだ。

離婚や損害賠償請求、という「成果」を勝ち取りたいならば、「人」を批判するのではなく「罪」を批判した方が良い。

「罪を憎んで人を憎まず」というスタンスは、被害者のカサンドラ女性が「発達障害者への差別」をしていると見られないための工夫として使えると自分は思う。

アスペルガー積極奇異型である筆者は、発達障害の専門病院でアスペルガー尊大型と見られる患者からモラハラを受けて、激しい怒りと嫌悪感を感じた事がある。

カサンドラ症候群の女性がアスペルガーの夫を嫌う気持ちも、全部ではないにしても、少なくとも一部は理解できる。

ただ、怒りのままに相手のアスペルガーを指して批判すると、「発達障害者への差別」と言われてカサンドラ女性の方の損になってしまう可能性が高いだろう。

ここは、ぐっと怒りをこらえて、「戦略」と思って、「罪を憎んで人を憎まず」というスタンスを取る事をお勧めする。

アスペルガー尊大型と自己愛性パーソナリティー障害

アスペルガー症候群には、いくつかの下位分類があり、その中に尊大型と呼ばれるタイプがいる。

尊大型は、とても口が達者で周囲を言い負かしたり、名前の通り、尊大な態度を取る事が多いため、アスペルガーの下位分類の中では一番嫌われやすいタイプだ。

そして、カサンドラ女性の夫には、アスペルガー尊大型が多いと思われる。

そして、これは、本の知識を複数組み合わせた上での個人的な仮説だが、アスペルガー尊大型は、自己愛性パーソナリティー障害を併発したタイプのアスペルガーだと自分は思う。

根拠
  • 発達障害はパーソナリティー障害が併発しやすい事
  • アスペルガーの下位分類は成長と共に変化し、後天的要素と見られる事

傍証として、アスペルガー受動型は、依存性パーソナリティー障害を併発している可能性が高いと自分は思う。

アスペルガー症候群は先天性の障害のため、後天的に治療する事はできない。

だが、後天性の自己愛性パーソナリティ障害の場合は、パーソナリティー障害として技術的には治療が可能なはずだ。

夫が尊大型の場合、自己愛性パーソナリティ障害を治療させれば、妻のカサンドラ症候群の症状の改善が見込まれる可能性があると自分は思う。

「都合の良い人」と「適切な振る舞い」の違い

カサンドラ女性の妻を持つアスペルガーの「夫向け」のアドバイスとしては、この章を設けた。

たぶん、カサンドラ女性が読むと腹が立つと思うので、カサンドラ女性の場合は、この章を読み飛ばす事をお勧めする。

アスペルガー症候群への治療の目的は、「都合の良い人」になる事ではなく、「適切な振る舞いができるようになる」事だ。

「適切な振る舞いができる人」は「都合の良い人」とイコールではない。

ADHDを持つ事が多いカサンドラ女性は、多動性衝動性のせいなのか、アスペルガーの夫に対し、「都合の良い人」になる事を求める傾向がある。

カサンドラ女性が求める「都合の良い人」になろうとすると、「妻に一方的に都合が良い不公平な関係」になる可能性が高いだろう。

アスペルガーを持つ夫は、カサンドラ女性の要求を、全否定も丸呑みもせずに、公平だと思われる要求のみを受け入れる事を心がけると良いと自分は思う。

あと、「発達障害者がいつも間違う訳ではなく、健常者も間違う事がある」という考え方を覚えておく事もお勧めする。

女性の社会進出とカサンドラ症候群

カサンドラ症候群は、アスペルガーを持つ人と感情的交流ができず、パートナーがうつ病に似た症状を呈する事を指す。

現在、カサンドラ症候群は、アスペルガーの夫とカサンドラの妻といったパターンで、男女逆は聞いた事がない。

現在の日本では、労働制度上、妊娠・出産後の女性が再就職しにくく、男性に経済的に依存する女性が多いためだろう。

しかし、将来、女性の社会進出が進み、男性の「専業主夫」が増えた場合も同様に、アスペルガーのキャリア女性に経済的に依存する男性が、カサンドラ症候群になる可能性がある。

例えば、女性の社会進出が進んだ外国で、女性から男性へのセクハラ問題も出てきている。

カサンドラ症候群も、社会制度の変化に伴い、問題の形が変化していくと自分は思う。

実際には、「専業主夫」は、しばらくの間、周囲の反対や差別などが多いと思われ、それらのトラブルの方に手一杯で顕在化しにくいだろう。

男女逆のカサンドラ症候群が顕在化するのは「専業主夫」への周囲への反対や差別が収まる数十年後の遠い未来である可能性が高いと自分は思う。

あと、将来、同性婚が法律で認められ、同性同士の結婚が増えた場合で、アスペルガーを持つ同性パートナーに経済的に依存する人の場合、カサンドラ症候群になる可能性がある。

同性カップルも同様に、しばらくの間は差別や周囲の反対などが多いと思われ、それらのトラブルに手一杯でカサンドラの問題が顕在化しないと自分は思う。

対策は、女性の社会進出が進んでいたり、同性婚が認められている外国の研究を先例として調査する事である程度備える事ができると自分は思う。

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