
結論から言うと、アスペルガーを持つ人には、「差別化・集中戦略」を取る企業が向くと自分は思う。
三つの経営戦略
経営学の本では、経営戦略を、
- コストリーダーシップ戦略
- 差別化戦略
- 集中戦略
の三つに分類している。
コストリーダーシップ戦略
コストリーダーシップ戦略は、簡単に言うと「薄利多売」の事だ。
仕入れの時に、まとめ買いで値引きをし、安さを実現している事が多い。
まとめ買いをするためには、大きな元手が必要なため、資金力のある大企業がコストリーダーシップ戦略をやる事が多い。
また、薄利多売で、客単価の低さを客数の多さで補っている。
そのため、多くの客を相手にするために、組織規模も大きくしており、必然的に大企業が多くなる。
だが、アスペルガーは社会性の障害やコミュニケーションの障害から、人付き合いが苦手だ。
そのため、アスペルガーは、大組織の社内政治に適応できない事が多いと思われる。
あと、情報処理技術者のプロジェクトマネジメントの教材では、計画は、
- 質
- コスト
- 時間
の三要素で成り立ち、これらは互いにトレードオフだとしている。
そして、コストリーダーシップ戦略の場合は、薄利多売のため、「安さ(コスト)」「速さ(時間)」などが求められ、「質」の高さは求められない事が多い。
アスペルガーを持つ人は、興味範囲の限定性や繰り返しの特性から、「質」を高める事は得意だが、「安さ」「速さ」を実現するために要領よくやる事は苦手だと思われる。
以上の理由から、アスペルガーはコストリーダーシップ戦略には向かないと自分は思う。
差別化戦略
差別化戦略は、商品の質を高める戦略だ。
高級レストランなどを想像すると分かりやすいと思う。
そして、商品の質を高めるためには、高い技術力が必要だ。
例えば、高給レストランなら、美味しい料理を作るために、高い調理技術が必要だ。
そして、アスペルガーを持つ人は、興味範囲の限定性や繰り返しの特性から、技術者に適性があると言われる。
そのため、高い技術力が必要になる差別化戦略は、アスペルガーを持つ人に向くと思う。
また、差別化戦略では、客単価が高くなる分、顧客数は少なくなる。
分かりやすく言うなら、お金持ちの数は庶民より少ない、といったイメージだ。
差別化戦略では、顧客数が少なくなるため、組織規模は小さくなる事が多い。
分かりやすく言うなら、ファストフード店はチェーン店になっている事が多いが、高給レストランがチェーン店になる事は少ない。
アスペルガーを持つ人は、人付き合いが苦手だが、差別化戦略を取る企業の小規模な組織なら、人間関係も複雑になりにくく適応しやすいと自分は思う。
また、差別化戦略では、同時に集中戦略を取る場合も多い。
そして、集中戦略では、独占的な状態になる事も多い。
独占状態だと顧客への立場が強くなるため、アスペルガーの社会性の障害があってお世辞が言えなくても、問題になりにくいと思う。
分かりやすく言うならば、料理は美味しいが店主が気難しい飲食店、といったイメージだ。
ちなみに、ここでは飲食業を例として挙げたが、アスペルガーが差別化戦略に向くのは、他の業界でも当てはまると思う。
まとめ
アスペルガーを持つ人が就職するなら、自分の拘りが向いている対象の業界で、差別化・集中戦略を取る小規模な企業が向く、と自分は思う。
あるいは、フリーランスとして、高い技術力を売りにして、高い給料をもらうといった戦略が良いと思う。
ただし、差別化戦略を取る企業に就職したり、高給取りのフリーランスになるには、当然ながら、高い技術力が必要だ。
アスペルガーを持つ人は、いじめ被害や発達障害を背景とした毒親で充分に勉強できる環境でなかったり、拘りの対象が職業技能として評価されにくい物に向いている事がある。
そういった場合は、高い技術力がないため、差別化戦略を取る企業には就職できない。
あと、就職先を探す場合の注意点として、現在の日本では、中小企業の大部分は、大企業の下請けタイプだという事がある。
大企業の下請けタイプは、安さを売りにし、安さを実現するために、従業員を安い給料で働かせている。
そういった中小企業では、「質」より「安さ」「速さ」が求められるため、アスペルガーを持つ人には向かないと思う。
就職先を探す時は、差別化戦略を取る中小企業か、下請けタイプの中小企業か、慎重に見極めた方が良いと自分は思う。

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